お金が要らないトレードスクールに行ってみた

昨日遅くまで久しぶりパーティしたのだけど、朝はしゃきーんと早く起きる。

トレードスクールの日なのだ。

マイケルがベッドから「どこ行くの?」と聞くので、トレードスクールに行くよ、と言ったら、
「え?え?職業訓練場にいくの?きつねは何になりたいの?」と完璧に寝ぼけてる。

トレードスクールは、英語では職業訓練学校と言う意味。
だけど、私が行くトレードスクールのトレードは、

日本語のトレーディングカードみたいな感じで使われてる。
何かを交換する、と言う意味のトレード。

何か教えるスキルを持つ人が学びたい人に教える。
授業料はお金じゃなくて、アイテム。だから、貧乏でもなんでも学ぼうと思えば学べるのだ。
お金無しで人が動く、学ぶこの試みはニューヨークで始まり、トロントでもスタート。

授業料として持って行くアイテムはいくつかの中から選べる。例えば、

  • A copy of your favourite book (好きな本)
  • A copy of your favourite little-known magazine (お気に入りのレア雑誌)
  • A knitting lesson  (編み物レッスン)
  • A tour of your favourite vintage/thrift store (古着屋さんツアー)
  • Anything that is even vaguely related to cupcakes (カップケーキに関係あるもの)
  • Copies of your favourite vegan recipes(ヴィーガンレシピ)
  • Gluten-free vegan goodies(グルテンフリーレシピ)
  • Something you made yourself(手作りの何か)
  • Vintage buttons/fabric(ヴィンテージのボタンや布きれ)など


教えるトピックは、編み物、クロスステッチ、どうやって長い文章を書くのかとか、環境に優しい投資の仕方、折り紙、ストーリーテリング、など本当に幅が広い。趣味で深めてる人が教えてくれることも、プロの人が教えてくれることも。

受講申し込みはオンラインで

私が今日参加したのは、フリーランスのライターとしてどうやって成功するのか、というワークショップ。映画製作に関わってからこっち、メディア関係のいろいろに顔を出してどう言う世界なのか探っている私。今回もその一環。

雑誌の編集長ローレンが先生。主に、どういうピッチレターを書くか教えてくれた。

映画もだけど、記事を書くのも、「こういうことをしたいんだけど、私のアイディア使ってください!私に仕事ください!」っていうinitiateすることをピッチとかピッチングとか言う。

野球の投手が投げること、ピッチ。

私こういうことができるよ、こんなこと考えてるよ、と投げかけること。

このピッチは、トロントで仕事を掴むためにはとても大事だなと思う。仕事だけじゃなくて、大学などの奨学金も。私は大学の留学も、大学院での勉強も全部返済が必要ない奨学金を頂いて実現させた。

そのときのピッチレターは、「プロポーザル」とか「レター・オブ・インテント」とか言うけど、今日、ローレンの話を聞きながら結局、ポイントは一緒なんだなと思った。

1.どれだけ自分に書く能力があるかのアピール(物事を論理的に組み立てられるか、自分のスタイルを持って伝えられるか、雑誌などの傾向を把握していてそれにあわせることが出来るかなど含めて)

2.自分の持つアイディアや、取り上げたいトピックがどれだけ社会にとって大事か、どんな位置にあるのか、読者にとって面白くて、または(or そして)重要なことか

3.それに対してどんな計画を持ってるのか、どれだけのリソースが必要か(人、文献、お金など)

ローレンの話し、とってもためになったし、わくわくした。難しそうだったけど、難しそうなことを聞いて、わーできなーいと思うときと、自分だったらどうするかなーと思うときがあって、今回は絶対に後者のわくわく。

それから、新しい友達もできた。フォトジャーナリストを目指すシェイ。すごく意気投合して、今度彼女のニュースルームを見学させてもらえることになった。シェイと話しながら、彼女の色んなプロジェクトにドキドキする。

ふるさとを遠く離れて、「なんでこんなに家族と離れてるんだろう?」って悲しくなるときもある。だけどその分、色んなチャンスが巡ってきているのも事実。私は実は、移住してきた年にすぐジャーナリズムの学校からのオファーを蹴っている。色んな事情があったのだけど、一番は、チキンだったから。

とても厳しいと言われるジャーナリズムのプログラムでやってける自信も無かったし、
それを追いかけてつぶれたときを思うと、怖かったから。

今まで何でも挑戦してきて、怖いと思うものほど突き破ってきたのに、そこだけ逃げた。

それだけ今、すごく後悔がある。今の大学院にいて、それはすごく良い勉強になってまた違う出会いがあったのだけど、結局一周して最初に戻ってきちゃった。



本当に馬鹿みたい。

だけど、同時に、今はあのときには無かった確かな自信があって、
やってみたいっていう本気のわくわくがある。


丁寧なピッチングをしよう。相手を良く観察して、戦略を立てて、放る白球。

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