トロントの冬が大好きな理由

朝、焼きたての食パンを買いに行く。

久しぶりに近所のリタおばあちゃん。いっぱいハグとキスが飛んでくる。寒くなると、持病のせいで外に出れない日が続くそう。

ボランティアで教えてるベトナムのおばあちゃんたちもそうで、あと一月位したら、雪で危なくなるので、クラスを春までお休みしないといけなくなる。

トロントの冬はさびしい。

トロントに来て初めての冬は、日が暮れるのがとっても早くて、あまり友達もいなくて、田舎ものの私にはゴミゴミしすぎのトロントが怖くて、


ほんとにどんより、Gloomyな日々を送っていた。


しかも、そのころ受けていた面接ではいつも”Canadian Experience”を聞かれるし、


「カナダ的経験」って、そんなもん、住んで数ヶ月で何があるのよ!!??


と、遠いカナダまで嫁いだ自分と、寒すぎて暗すぎるトロントの冬と、雇ってくれない人たちに理不尽にすごく怒っていた。

怒りすぎて落ち込みすぎたある日、ふと、

「カナダ的経験って、アイススケート!」

と、全然雇用と関係の無いことを思いつき(←やけくそ)、カナディアンタイアでスケート靴を買って、トロント市役所の屋外スケートリンクへ。

スケート全く初心者の私は、最初、氷の上に立つこともできず、やっと立てたと思ったら、今度はペンギン歩き。
市役所のスケートリンク
滑るのは無料。靴は持って無くてもレンタルできる。
夜はライトアップされてロマンチック

ぐるぐる何周もペンギン歩き。すぐ側を小さな子どもたちがすごい速さで滑っていくのを横目に見ながら、よちよち歩いた。

毎日通っているのに、全然上手にならない私に見かねたのか、常連さんたちが声をかけてくれるようになった。最初は「がんばれー」って遠めに見てくれてた人たちが、時間をとって教えてくれるようになり、リンク清掃のお兄ちゃん達が転んだら助けに来てくれるようになり、

そうこうしたある日、韓国人の70歳のおじいちゃん、ジャックが本格的にレッスンをつけてくれるようになった。彼は60歳くらいのときに移民して、それからスケートを学んだと言って、全然英語喋れないけれど、韓国語とジェスチャーで教えてくれた。

そうやってスケートを毎日4,5時間。たくさんの友達が出来、みんなが先生になり、気がつけば滑れるようになって、シーズンの終わりにはスムーズなコーナーの曲がり方や、後ろ向きに滑る方法とかを教えてもらうようになった。初めて会った人と手をつないで滑る。初心者同士、励ましあって滑る。滑った後はティムズでホットチョコレート。

カナダ的経験、なのだ。笑

スケートを始めてから、冬は大好きな季節。優しい人たちとの出会いのお陰で、行動範囲も広がり、トロントも大好きになった。ゼロ度を気温が下回り始めると、スケート靴をクローゼットから出してそわそわする。スケートリンクまで歩くとき、ほっぺたがピリピリ痛いと、うれしくなる。(気温が低いとリンクの氷がきちんと固まってて滑りやすいから)

今年もスケートリンクで、同じ顔ぶれに会えるかな。あの人は元気かな。

雇用に直接結びついたりもする。出会った人から仕事を紹介してもらったり、面接の仕方を教えてもらったり。トロント、カナダに長く住む先輩、もしくは移民の先輩達から色々知恵を分けてもらう。

今年もスケートの季節がもうすぐ始まる。

各地公園など、色々あるけれど、トロント市役所のスケートリンクはオープンが
11月23日。(ホームページはこちら

来年の3月17日まで
最終日くらいになると気温が高くてプールみたいになる



*市役所のリンクでは、スケート靴の貸し出しもある。(だけど、あまり良くないものが多いので持参したが良いらしい)
スケート靴を選ぶとき、私は何も分からず、見た目がかわいいフィギア用にしたんだけど、フックがあって転びやすいから、ホッケー用のスケート靴のほうが良いと、色んな人にアドバイスしてもらった。
私のはフィギア用↑
この先っちょのぎざぎざで転ぶ
他の靴はこちらから

ちなみにカナディアンタイアでは、スケート靴の刃も機械ですばやく砥いでくれるよ!

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