目の前で逮捕

カナダデー。特別なことは何もなく、ただ友達とわいわいケンジントンで食べ歩き。

入ったパブでサッカー女子日本代表の試合があったので、観戦。
アイスクリームも美味しかったし、大満足で帰路につき、ちょっと早めに就寝。

最近夜眠れない日が続いていて、今日も明け方まで眠れず。
お腹がすいて仕方なかったので、パン粥を朝５時くらいにつくってゆっくり食べていた。

どれくらいぽけーっと食べたり食べなかったり、過ごしてたかわからないけど、


わんわんわんわんわんっていう近所の犬の尋常でない吠え方にはっと我に帰る。

窓を開けて耳をすませてみると、車がいっぱい入ってくる音と、男の人の話し声、歩く音、

時計を見るとまだ６時を少し回ったところ。
なんかおかしいぞ？

おうちの正面の窓にまわって、カーテンの隙間からそっと外を見たら、
救急車がリタおばあちゃんの家の前に停まってる。

まさか？？？
ちょっと気が動転。
マイケルも起こしてきてもらう。

防弾チョッキを着た警察官がわらわらとパトカーから道に出て、おばあちゃんの向かいの家に入っていく。

とりあえず、おばあちゃんの家で何かあったわけじゃないみたい。
そのあとも数台パトカーが新たに駆けつけ、家の中に警察官が入っていく。

しばらくして、髪の長い黒人の人が家から連れてこられる。
近所に住んでる人？いや、みたことない。知らない人。
その場で手錠をかけられ、逮捕。
メディアのカメラも来ていて、報道もされていた。

近くの教会に警察とのカーチェイスの末につっこみ、
徒歩で逃走。
近所の家のパティオの下に隠れていたんだって。
車は盗まれたもので、銃撃の犯人かもしれないとニュース記事には書いてあった。
犯人は１９歳。名前や身元などはまだ明らかにされていない。

そのニュース記事を見て悲しかったのは、コメント欄。黒人の人に対する差別的なコメント。アメリカの黒人差別、ヘイトクライムがあまりにも濃く、カナダのことはあまり話題に上らないけど、トロントでも黒人差別がいまだ根強い。先日スクールボードの発表した調査でも、学校教育の現場でさえ黒人に対する差別が顕著であるというデータがはっきり出ていた。そして、カナダには奴隷制の歴史がないと思ってる人多いけど、カナダにも奴隷制はあった。

仕事でトロントのウェストン地域にあるアフリカ系の父親支援団体にお邪魔する機会があったのだけど、そこで黒人のお父さんたちが「いろんなサービスを受けようとしても、黒人であるだけでネガティブなステレオタイプが働いていて、もうそういう団体に行く気すらなくなってしまうんだ。」って話してくれたことを思い出した。

一日中、教会の周りには黄色のテープが張られ、近所は落ち着かない。
窓枠から今朝見た出来事、メディアの報道の仕方、人々の反応。
全部がちゃんとした形でマッチしない。でこぼこに心にはまっている。