イヌイットパンク・ターニャ・タガック

楽しみにしていたコンサート。
トロントで大好きなベニュー、マシーホール。

ここでのコンサートに行くのは4回目?
いい思い出しかない!!!

今回はずーーーーっと生で聴いてみたかったイヌイットのthroatシンガー、ターニャ・タガック。伝統的なイヌイットのボーカルの表現と、テクノやパンク、メタルみたいな要素も混ぜた本当に独特な音楽を奏でる彼女。



ビョークとコラボしたり、ポラリスアワードを獲得したり、カナダ国内外での評価がすごく高まってきてる。彼女はアザラシの狩りのことや、イヌイットや先住民の人たちがどんな風にメディアに描かれるべきかとか、いろんなことに自分の意見を発するのを恐れないアーティスト。



いろんなインタビューを見てると、自分の声に正直に、外に出すことを自然にしちゃう人、素直で素敵な人だなあという印象を受ける。

throatシンギングはとても独特で、音声だけ聞くと何がどうなってるのかわからない。

だから今回、マイケルがチケットをプレゼントしてくれて本当にうれしかった!!
仕事の後、わくわくしながらマッシーへ。





友達のナターシャにばったり会ったよ。彼女とは先住民アートのイベントに行くと絶対会う。いろんな先住民のコミュニティにヘリコプターや飛行機で飛んで行き、仕事をしてる友達なので、すごく性格な情報や知識がある彼女。大好きな友達です。

さらに進むと、もう一人友達発見。アレック。タガックの前に演奏する素敵なバイオリンボーカリスト、オーウェンパレットの演奏に出演するんだって!バイオリニストであるアレックは最近すごくいろんなコンサートに出てて、忙しい。オーウェンパレットの演奏に合わせた彼のバイオリンも素敵だったなー♪赤ちゃんが生まれたら、バイオリン持って駆けつけてくれるって!笑

そして席に着く前にもう一人友達のマットに遭遇。マットはマイケルと音楽の趣味がすごくあって、すごいギターが上手いのだ。みんな最近忙しくて会えてなかったけど、思わぬところでいろんな人にあえてハッピーだ。

で、肝心のターニャ・タガック。オーウェン・パレットが少し長くなったので、時間を押して9時半くらいから演奏が始まったよ。

ステージのセンターに立って、観客が息を呑み、静まりかえる中、彼女の第一声。

NO SHIT!

いきなりのスウェアリングにほころぶ観客。

「イヌイットコミュニティで育って、まさかこの伝説的なホールで演奏できるなんて感動!」

「カナダは確実に変わっているね。昔のカナダは、メインストリームの白人カナダにそぐわないもの、とくに先住民の文化から目を背けていた。でも今は、トロントにこんな風変わりなアーティストが来て、こんなに多くの人が熱狂的に迎えてくれる。チェンジは確かにここにあるね。」

「人生に同じ瞬間は二度とない。それと同じで私の音楽は全てアドリブ要素が主。毎回のコンサートで違う世界が出来上がる。今日は一緒に楽しんでほしい」

結構長い挨拶で、早く音楽が聴きたいなと思ったけど、演奏が始まって、なんでそんなに準備の時間が長かったのかわかった。

演奏が始まってから1時間かけて一曲を演奏。切れ目がない。休憩もない。

同じ一人の女の人から出ているとは思えないすごいバリエーションの音。

綺麗な普通のハミング、子供の笑うような声、魔女が呪いをかけるような音、嵐、波の打ち付ける音、鳥の声、赤ちゃんの泣き声、雷、断末魔の叫び、

命の全部のステージ、世界の全部のエレメントが、時間の区切りがなく、重なったり繰り返したり。

伝統的なテクニックを使っているのに、限りなく未来的。

小さい時に初めて映画「フィフス・エレメント」を見た時、途中で青い宇宙人の歌うオペラに衝撃を受けたのだけど、



あれと似た、でももっと衝撃的な舞台。
歌を聴くというより、劇を見ているというか、一つのお話を語られたよう。
ドラムとバイオリンが伴走する。バイオリンはまるで風の音?呼吸?
ドラムのビートは鼓動?地割れ?

赤ちゃんがあまりにもお腹を蹴って、ちょっとびっくりした。

なんかカオスで、わけわからなくて、全部を超越している世界観にすっごく興奮した!!

タガックの生演奏を見た人がいろんなところで述べる感想だけど、

「エネルギーの爆発」とか
「全く違うエネルギーが生み出される」とか。

なんか、会場全体の空気を掴んで、吸い込んで、かき回して、吐き出す感じ。

本当にパワフル。

絶対また生演奏を聴く機会があったら行きたい!!
最高のコンサートだったー


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