last novel

お義父さんが急に来たり、マイケルの病気が再発したり、
なんだか忙しく、疲れる1週間だったけど、
タピと私は元気で忙しい。マイケルの看病のために仕事を休まなくちゃいけないのが、ちょっと悲しいけど、空いた時間で勉強と準備は怠らないように。

今までトロント内の公園をくまなく回っていたのだけど、最近とっても良い公園が家の近くにあることを知り、そこに毎日行くことにしたよ。

体力はいるけど、子育てって楽しい。
タピと毎日遊ぶのも、食べるもの、本を読むのも、買い物行くのも、
全部ひとつ、一つ、本当に心からありがたく、幸せな時間です。

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An Artist of the Floating World by Kazuo Ishiguro

全くサブジェクトとは関係ないのだけど、読みながら、毎日家で子どもと向き合えることに感謝する気持ちでいっぱいに。キャリアとのバランスとか、悩むことも多かったけど、どうしてかこの本を読んでいくうちに心が楽になった。
第二次世界大戦後の日本。戦時中に名を馳せた画家の退職後の日々を描く。戦争中に大日本帝国の拡大を支持したその画家が周りの人に与えたインパクトとは。その責任とは。芸術家の社会における役割とは。娘の結婚見合い交渉をきっかけに、自分の過去と人物と正面から対峙していくが、その中で記憶のベールが行く手を遮る。
そして、人の記憶の曖昧さ、真実の所在、イシグロ作品に見られるテーマが巧みなストーリーテリングで描かれていく。いつも思うのだけど、イシグロ作品の主人公って、すごい繊細なようで厚かましいよね。「ええ、なんでそんな強気なの??」っていつも思うけど、その引力が最初から最後まで息をつかせず読ませる理由なのかもしれない。
最後の章はタイポがなぜか多く、少し気がそがれた。あと、日本人の名前のスペリングがちょっとどうなのかな?というものがあって、翻訳した人は果たして漢字を当てたのか、名前を修正したのか、翻訳も読んでみたい。また、戦時中を振り返り、戦後の社会の動きを考察する主人公の言葉に少し違和感を感じたのだけど、なぜかな。
でもそれ以外は、すごく楽しめたし、話の運び方、情報の出し方が本当に素晴らしいなあとため息をつきながら読みました。
イシグロ小説は全部これで読んでしまったので、短編を読みたいのだけど、あいにくどこも売り切れ。早くブームが去って、普通の値段で手に入れたいわ。

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