Betrayal
佐賀の滞在も最終日になり、荷造りや、買い物になんだか落ち着かない。
何度も往復しているカナダと日本。もう緊張とかはないけど、やっぱりフライトは長いし、タピと一緒だと用意するものも多い。
さっきマイケルから、大好きな作家シャーマンアレクシーがセクシュアルハラスメント、もしくはセクシュアルアサルトの被害者によりSNSで告発されているというニュースを聞いた。
本当に彼の作品は全部読んでいて、論文まで書いたし、大好きで、
その中から女性を蔑んだり、暴力を振るったりする印象は全く受けず、
むしろその逆で、優しい印象を受けていたから、とてもショック。
これが本当なら、天才的な大嘘つきだ。彼は自分を嘘つきだと、フィクションライターとはそういうものだと言っていたけど、こんな嘘は、当たり前だけど、嫌だ。
もっと大きなメディアアウトレットで取り上げられ出すと、何か声明を出すのだと思う。
正直に、彼のライティングの印象、今までパブリックスピーキングで話してきたように、ちゃんと話してほしい。そして犠牲者の人の心が少しでも声を上げやすく、そして心やすくなるように、できるだけのことをしてほしい。


My world is upside-down.
2年前はジョセフボイデンがアイデンティティを詐称していると暴かれ、今年はアレクシー。私の本棚で震える本が増えていく。ウディアレンのスキャンダルがあった時、友達がアーティストの罪は作品の罪になるの?と聞いた。犯罪者が作ったアートは、アートとしての価値が失われてしまうのか、という問い。
彼の作品を楽しんで、心から救われたような感覚で読んでいた私は事実で、このことが明るみに出なかったら、私は今でもそうしていただろう。けれど、このアリゲーションがある以上、同じ気持ちでそのアートに触れることはできない。輝いていた宝物が、たちまち輝きを失い、今ではその箱を開けるのも躊躇してしまう。
それはやはり、作り手への人間としての信頼を私は求めてしまうから。どんなにきれいな世界を描いても、どんなに愛が深くても、現実にもしその真逆のことをしていたら?
荷造りをしながら、アレクシーの描いた女性キャラクターが浮かぶ。ストーリーが浮かぶ。私は泣きたい気持ちになる。あなたのストーリーをあのように、心から、貪り読むことはもうないのでしょうか。
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