Hunger
どんどん冬めいてくる。ビタミンDのサプリメントを買う。
トロントに帰ってきて3ヶ月くらい。やっと生活のリズムやルーティンができたかな。
家具や調理道具、スパイスも大体揃ってきたし。
なんでも急に全部はできないけど、ゆっくり細々。
お日様を大切に、日々を過ごそうね。

気になっていたライター。アマゾンで安くなっていたので読んでみた。現在40歳代の筆者の伝記。超肥満である自分の体について、そこで起こったことに焦点を当てる。10代の最初にレイプ被害にあい、太れば男性から求められることはなくなると、過食に走り、どんどん太っていく筆者。痩せたい、太りたい、食べたい、戻したい、求められたい、嫌われたい。相反する「ハンガー(渇望)」が共存し、欲しいものに向かって進む筆者のストラグルの過程は、かなり辛く、面白くてページをめくるというよりも、早く終わってほしくて、でもしっかりと読んだ。
最初にこの本を手に取ったのは、フェミニストである筆者のことが知りたいということ、肥満に対する偏見が自分にもあるのではないかと疑いがあったから、そして、性被害者の女性の声が一斉に北アメリカで上がり始めた今、読んでおきたいと思ったから。
肥満の人を見て、その背景を全く知らずにジャッジメントを下す、というのは日本にいた時私はしていた。正直、どうしてそんなに体重が増えるのか理解できなかった。けれど、アメリカやカナダに住み、肥満と言われる人が多くいる中で、理解したいと思うようになり、「自己責任」という問題では決してないのだと考えるようになった。
この筆者の自分の体に対する罪悪感、嫌悪感、そして、社会の中で肥満の人に対する冷血な扱いを受ける体験を読み、正直、新しく学ぶことが多くあった。
レイプの首謀者に、大人になった今、連絡を取ろうとする筆者。その下で、おそらくこの作品の中で最も大きな告白がある。それがあまりにも生々しく、切なく、残酷で、一人の身勝手な男の暴力で30年間苦しみ続け、これからも尚苦しみ続けると覚悟を決める筆者に尊敬の意を感じるとともに、この男にジャスティスが降る日が来ないのかと、怒りに震えた。
この本は、繰り返しの部分が多く、筆者の語りたい部分と、語りきれない部分が混ざっていて、読んでいてスッキリするとは言えない。けれど、その書き方が彼女の受けた傷の深さ、問題の複雑さを表していて、これはこのままでいいのだろうと思う。
「自分のそのままの体に満足し、幸せに生きる」ことのできる女性がどれくらいいるだろう、と筆者は質問する。「もっともっとと、渇望して私は生きてきた。」そうも言う。所々で彼女は両親や家族のことを話す。「両親は理解してくれなかった。ずっと話せなかった。」
この本を読んで、彼女の両親はどう思っただろう?レイプのことは大人になってから記事で知ったらしい。けれど、詳細に知るのはこれがおそらく初めてだと思う。
筆者は「子ども」としての自分をぐんと前に押し出して書いている。「子ども」としての私と、「親」としての私は、どちらにも引っ張られて、だからかな、本当に読むのが辛かった。
トロントに帰ってきて3ヶ月くらい。やっと生活のリズムやルーティンができたかな。
家具や調理道具、スパイスも大体揃ってきたし。
なんでも急に全部はできないけど、ゆっくり細々。
お日様を大切に、日々を過ごそうね。

気になっていたライター。アマゾンで安くなっていたので読んでみた。現在40歳代の筆者の伝記。超肥満である自分の体について、そこで起こったことに焦点を当てる。10代の最初にレイプ被害にあい、太れば男性から求められることはなくなると、過食に走り、どんどん太っていく筆者。痩せたい、太りたい、食べたい、戻したい、求められたい、嫌われたい。相反する「ハンガー(渇望)」が共存し、欲しいものに向かって進む筆者のストラグルの過程は、かなり辛く、面白くてページをめくるというよりも、早く終わってほしくて、でもしっかりと読んだ。
最初にこの本を手に取ったのは、フェミニストである筆者のことが知りたいということ、肥満に対する偏見が自分にもあるのではないかと疑いがあったから、そして、性被害者の女性の声が一斉に北アメリカで上がり始めた今、読んでおきたいと思ったから。
肥満の人を見て、その背景を全く知らずにジャッジメントを下す、というのは日本にいた時私はしていた。正直、どうしてそんなに体重が増えるのか理解できなかった。けれど、アメリカやカナダに住み、肥満と言われる人が多くいる中で、理解したいと思うようになり、「自己責任」という問題では決してないのだと考えるようになった。
この筆者の自分の体に対する罪悪感、嫌悪感、そして、社会の中で肥満の人に対する冷血な扱いを受ける体験を読み、正直、新しく学ぶことが多くあった。
レイプの首謀者に、大人になった今、連絡を取ろうとする筆者。その下で、おそらくこの作品の中で最も大きな告白がある。それがあまりにも生々しく、切なく、残酷で、一人の身勝手な男の暴力で30年間苦しみ続け、これからも尚苦しみ続けると覚悟を決める筆者に尊敬の意を感じるとともに、この男にジャスティスが降る日が来ないのかと、怒りに震えた。
この本は、繰り返しの部分が多く、筆者の語りたい部分と、語りきれない部分が混ざっていて、読んでいてスッキリするとは言えない。けれど、その書き方が彼女の受けた傷の深さ、問題の複雑さを表していて、これはこのままでいいのだろうと思う。
「自分のそのままの体に満足し、幸せに生きる」ことのできる女性がどれくらいいるだろう、と筆者は質問する。「もっともっとと、渇望して私は生きてきた。」そうも言う。所々で彼女は両親や家族のことを話す。「両親は理解してくれなかった。ずっと話せなかった。」
この本を読んで、彼女の両親はどう思っただろう?レイプのことは大人になってから記事で知ったらしい。けれど、詳細に知るのはこれがおそらく初めてだと思う。
筆者は「子ども」としての自分をぐんと前に押し出して書いている。「子ども」としての私と、「親」としての私は、どちらにも引っ張られて、だからかな、本当に読むのが辛かった。
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