floating alone

ローラとドロップインセンターに行き、
そのあとカフェでコーヒー。
一年違いで母親になった私たち。
出会いは移民一年生の2011年の時。
彼女も同じ時期にアメリカから移民した。
ボランティアした場所も一緒。一緒にクラスを持ち、教えた。

不思議な縁で、
大切な友達になった。

故郷を遠く離れ、国まで違うのに、
雑踏の中でふと「あれ?あの人、幼馴染に似てる」と思う瞬間がある。
「いや、でも絶対違うよな」と強い打ち消しが即座に入るのが寂しいけれど。

私はこのまま行けばトロントを離れる可能性が高い。
2年後くらいにはまた引越しだろう。
どこに行くのかはわからないけれど。
それって、雑踏の中で「あれ?あの人?」って思う人ばかりが増えていって、
実際ばったり会える人が少なくなるってことかなあ、って考えることがある。
なんだか孤独だ。

でもその新しい街で、ばったり会ったら嬉しい人たちが増える。
ローラちゃんみたいに。

「a kitsune on the waves」ってブログのタイトルにした時、深くは考えなかったんだけど、
本当に様々な波を越えたり、浮いたり、乗ったり、いろんなことしながら、息継ぎしたり少し溺れそうになったり、上手く泳げるようになったかなあと思ったら水をかぶったり。いつまでたっても落ち着かないのね。背中に今タピを背負って泳ぐから、もちろん体力的には疲れるけど、見える景色に溢れる言葉やため息の色が確実に変わっている。

本屋さんにいって、日本にいる大切な友達に本を選んだ。
あなたなら、笑顔でこの本を開いてくれる。
雑踏の中で出会うことがない、その可能性を考えることすら難しいくらい遠いところにいても、繋がっていたいと思える人たちが、ひょこひょこ波間から顔を出してくれる。

そういう瞬間に、この海で泳いで、この海域に今プカプカして、いいのよねと微笑む。



友達に選んだのはこの本。ウールフの伝記を簡単に、かわいく、ちょっと違う視点からまとめたもの。

読んでみたら、ウールフの人生と「灯台へ」のパラレルがあるということを知り、もう一度「灯台へ」読みたくなった。

“She felt... how life, from being made up of little separate incidents which one lived one by one, became curled and whole like a wave which bore one up with it and threw one down with it, there, with a dash on the beach.” ― Virginia WoolfTo the Lighthouse

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