オーディション パート2

オーディション二回目。

女優さんたちに来てもらい、主役のオーディション。

二回目だったけどなんだか緊張した。

なんでだろう。自分の中でこのプロジェクトに対する思い入れが日に日に大きくなっているような気がする。

監督のラミンは毎日働けるだけ働いてこのプロジェクトのためにお金を稼いでいる。
彼の情熱に引っ張られる。彼がしたいと思っていること、実現させるためのできるだけのことをしたい。



それから、撮影現場でフィリップ・ノイス監督の指揮をずっと観察した。65歳であのフォーカス、十数時間続くスタミナとエネルギー。それを実現させるために動く数百人のスタッフたち。

ドキュメンタリーを撮った時も感じたけど、撮影のセットって不思議な魔法空間。
何人もの人のすごいエネルギーが集結して、一つのものをつくろうとする。
その撮影に行くまでの時間、そして撮影からリリースまでの膨大な時間はとてもきついけど、セットの中では時間が違う風に動く。

オーディションをしながら、ラミンと話しながら、そういうことを考えた。

そして無事に主役の女優さんが決まった。

重視したのは演技力、ルックス。そして、コミュニケーションの取り方。
メールの返信はタイムリーか、オーディションで監督の質問、指示にどう答えたか、脚本をどう理解し理解できないところをどうアドレスしているか。

オーディションがすべて終わり、最後の女優さんが部屋を出た時、私たち3人の心はもう同じ一人にがっちり決まっていた。

主役でひっぱっていくキャラクターセンターの映画なので、これから一緒に脚本を変えていくと同時に、

ロケーションを決めていくことに私の仕事は移っていく。
適した場所を探し、許可を取って、市役所に申請するところまで。

ラミンの夢が私の夢になる。
それがアレクサンドラやキャサリンの夢になる。
一つのものをみんなでつくる。
トロントでできた新しい関係がうれしい。

夏からマイケルの研究で日本に行くかもしれないと前々から伝えていたけど、今日ラミンに

「きつねがいなくなったら僕どうすればいいの。行かないでよ。」

と言われた。厳しいラミンからのとっても大きい褒め言葉。

信頼されてる感じがとってもうれしい。

明日は自分との作戦会議の日。今どこに自分がいて、どこに進みたいのかじっくり書き出してちゃんと整理しよう。たくさんのことが起こった一週間だったので、なんだか浮き足立ってる感じ。

今日移動中に読んだのは芥川の「藪の中」と太宰治の「火の鳥」。



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