反省とチャンス

新しい仕事の話。
時期が時期なだけに受けるか迷ったけど、
カナダの大自然とアートを融合させた面白くて綺麗な作品を作る監督さんだったので、インタビューだけでも受けることにした。

電話のインタビュー。

ドキュメンタリーの仕事から離れていた時間、家のことに集中していた時間、
自分をすごく客観的に見れたというか、反省して次に活かしたいなあと思っていたことが一点あった。

それは、コミュニケーションを「イコール」の立場でとること。

私は大学院の時、教授のことを卒業まで「プロフェッサー」付きで呼んでいた。
それが自分なりにしっくりきたし、「日本で育った」自分にはそれが身の丈に合っている気がしたから。

自分が仕事をしていく中で、「きつね」とカジュアルに呼ばれることはいいけど、ボスのことや先輩のことを呼び捨てにするのはすごく抵抗があったし、自分の「身の程」というか、相手を立てるということをすごく気にしてしまっていた。それに、このインダストリーでの知識も経験もなくて、初心者で、自分にできることはとても小さいと思い込んでいた部分もあったと思う。

カジュアルに取るコミュニケーションが、表面だけの付き合いのような気がした。だけど、表面に気を取られていたのは自分だったんだなあって気がついた。

カジュアルに接したり、フランクに意見を言う中に、礼儀がないわけではないし、マナリズムがカジュアルだからって間柄が実際に近いわけでない。逆に私の控えめなコミュニケーションの取り方は、そのまま自信のなさの表れと写っていたのかもしれない。

ビジネスの関係、チームの関係の中で一番効率の良いコミュニケーションの仕方が言語的な距離を近づけて、接することであるなら、その流れの中で頑なに硬くなっている私はなんだろう?

せっかくクリエイティブなフィールドで、私の意見を求められて仕事をしていたのだから、怖がらずに、もっと積極的に自分を出してよかったんじゃないか。

それに、自分が指示を少なからず出す立場になる時がこの数ヶ月あって、同僚がいつまでも「ポライトすぎる」となんだかウズウズしてしまう自分にも気づいた。いろんな挨拶や通りいっぺんのメッセージはいいから、要件はなんなんだ??

って。

自分にしっくりする形が変わってる。

自分にできることが見えている。そしてそれは決して小さくない。

じゃあちょっと、新しい形でやってみよう。


面接の前に会社のリサーチをしながら、心に決めた。

「絶対に、ファーストネームで呼ぶ。(相手が指定しない限りは)
明るく元気に話す。
あれこれ先のことや相手の反応を考えず、今の相手にただ集中して、
質問や意見は伝える。
こわくない。隠さない。私はわたし。」

電話面接はおそらく40分くらい。プロジェクトの説明、私の役割など。
出産を控えていることもきちんと伝えた。

滑り出しはとても良くて、私の経歴を聞かれたので、説明しながら、タイミングを見て監督の作品、会社の作品で共感できるところや素晴らしいと思うところなどを伝えた。

私のコンタクトを監督に渡して推薦してくれたのは、2年前に仕事を一緒にした人だった。もう彼のこと忘れかけてたのに、どこでつながるか、わからないね。

電話の面接の結果、チームに参加できることになったよ。


ずっとパートタイムでやっている仕事は12月の末まで契約があるし、
ベビーシッターも週2回あるので、体調を見ながら、時間を上手に使って頑張ろう。

マイケルが私の電話を聞きながら、

「きつねの話し方、とても元気でプロフェッショナルですごく好感が持てたよ。
責任持って良い仕事して、一緒に働くのが楽しそうな感じだった。とてもいいね。」

モントリオール国際映画祭までまずは全力でやる。

なんか最近、トロントに住むことがすごくしっくりくるんだ。
バランスの取り方がわかってきたみたい。

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