jacaranda tree

メモアーを続けて二冊。
マイケル・オンダーチェの"Running in the family"とマーク・サカモトの"Forgiveness"。



やっぱりこの人の文体好きだなあ。スリランカを訪れ、自分の家族、主に父親についての回顧録なのだけど、詩やショートストーリーや引用を組み合わせて、短いのにとても濃密な作品。書いてあることは明るいことばかりでなく、どちらかといえば辛いことが多いけど、スリランカに行きたくなる。一番好きだったお話は、" The Passion of Lalla"

"My grandmother died in the blue arms of a jacaranda tree. She could read thunder." -p. 93

という始まりを読んだ時、すごく惹かれて、この木はどんな木なんだろうと想像しながら最後まで読んだ。最後にもこの「青」が出てくる。最後まで読んで、インターネットで画像検索をかけてみたら、私が思っていた「青」とは全然違う色で、とても綺麗で、ぜひ見てみたいなあ。



そのあと、二回目の挑戦で"Forgiveness"を読んでみた。これは去年すごくカナダで話題になった本。日系カナダ人のマーク・サカモトが祖父、祖母の戦時中の体験と自分の母親との関係を軸に「赦し」とは何かを探っていくメモアー。正直一回目読んだ時、一生目が面白くなくて挫折していた。今回、なんとなく後ろから読み出したら、一晩で読んでしまった。

日系カナダ人のインターンメントキャンプを扱った作品はジョイコガワさんの作品などでファミリアーだったけど、この作品でユニークなのは、香港の戦いで兵士として従軍した祖父の体験を詳細に書いていること。日本へ捕虜として連れて行かれ、耐え難い扱いを受けた。ドキュメンタリーの"Savage Christmas Hong Kong 1941"というのを見たことがあり、概要は知っていたけど、一人の兵士がその終戦までを捕虜として生き抜き、それを孫に話して聞かせる語りの中で、とても親密なフィルターを通してその体験が聞けたような気がした。

かなり辛い話なので、朝まで持ち越したくない思いで、夜中1時くらいまでかけて読んだ。この本は文体も軽く、単語も優しく、話題も予備知識のあるもので、すごくすんなり読めた。

***
来年の冬締め切りに間に合うようにSLPの学校に応募することをマイケルと話し合って決め、いよいよ具体的に応募要項を確認。とりあえずGREの勉強をすることに。カナダに移住する前に少し勉強したことがあるけど、なんでもコンピューターベースドテストになってるらしく、勝手が違うみたい。
この挑戦でもし受かれば、来年の9月から学校。
ボランティアや見学、アシスタントを通して、少しずつあっためてきて、やっぱりそれでも勉強してみたいと思える分野なので、自分の目指すところはまだまだ遠いけど、書くことと一緒で、長い時間かけて終わりなく追求できるものになったらいいな。


思っている「青」と本当の「青」が違うことって、すてきだなあと思えるようになった今だからこそ、挑戦してみたい。

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