Appreciation

ターム最後の仕事の後、打ち上げ。
深夜に帰宅して、翌日片付けとパッキング。お昼には家を出た。

空港のラウンジと飛行機の中で、急ぎで入った翻訳の仕事をする。
リラックスするお休みで仕事は入れないようにしたかったけど、作業をしていたら、受けてよかったなという気持ちになった。最近の数件は、飛行機やペットボトルなど、すごく解釈を許さない的確な用語や言い回しが必要なものが多かった。

今回は、哲学系というか、文学系と言うか、言葉の一つ一つ、色々候補を探りながら、その作品の前後や背景を加味して広がっていく。面白い。夢中で作業をしたらあっという間にノバスコシアに到着。

飛行機の窓から、緑いっぱいの窓の外を見ると、心が落ち着く。
ロビーでお義母さんに迎えてもらい、いつもどおりレストランで食事をして、2時間のドライブ。

気温はトロントと同じくらいと聞いていたけど
やっぱりひんやりとして、気持ちの良い空気。
少し肌寒い。

トロントで車に乗っていると、ストップばかりでスムーズに走らないことが多いけど、
ノバスコシアは裏道もハイウェイも、信号なんて無く、突っ走ることが多い。
2時間止まることなく、走りっぱなし。

マホンベイという小さな海の町に入ったとき、お義母さんがいきなり車を止めて、エンジンも止めた。

Listen!

耳を済ませると、

ジングルベルみたいな、音。

りんりんりん、りんりんりん。


鳴り響く音の正体は、かえるの大合唱。


佐賀の田んぼのげろげろげろじゃなくて、ここは森の中からりんりんりんって聞こえてくる。


街灯ひとつない、真っ暗な闇。かえるの空に向かう声。
空には雲の切れ目から、星が顔をのぞかせる。
大きな木々の黒いシルエットが、迫ってくるみたい。


ノバスコシアに来たよ。
春に来るのは初めてだよ。

静かな部屋でハニーウィスキーを片手に、翻訳を進める。

夜が静かに、ゆっくりと、深くなる。

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