A long night


クリスマス。午後5時半。暴風。停電。
ターキーが焼けるまであと1時間だったのに!
ろうそくの明かりの中で果たして電気が戻らなかった場合、何を食べるんだろうという疑問をみんな抱えながらも、それについては触れず、ファミリーストーリーを聞いたり、ものすごい風の音におののいたり。
8時半。もうみんな諦めモード。試しにオーブンのターキーを切ってみようということになり、蓋を開けてみたら、きれいに焼きあがったターキーが!
電気は深夜まで戻らなくて、寒かったけど、ターキーディナーのおかげでクリスマスらしい夜になりました。

クリスマスの後は寒さが本格化し、昨日はウィンターハイクにトレイルに行ったけど、風が吹くと顔がとにかく痛くて、痛すぎて笑ったら、歯が痛い。苦笑 タピは最初はきゃっきゃはしゃいでいたけど、やっぱり風が吹くと、手をブンブン振りながら、「いらな〜い、いらな〜い!」と叫んでおりました。

マイケルと私は付き合ってから9年目に突入。
日々、マイケルへの尊敬と感謝の念が深まるばかりです。
本当にありがとう。これからもよろしくね。

イシグロさんの本を読み終わったので(下記レビュー)、クリスマスにもらった本を読み始めよう。それから、来年あるコンテストの原稿にも向かっています。頑張るぞーー!
***

"Nocturnes" by Kazuo Ishiguro

読むのがもったいなくて、とっておいた最後のイシグロさん。短編集。

最初のストーリーを読んだ時、入り込めず、3回も眠ってしまい、読み終わった後も、「あれ?どうしよう。あんまり面白くないかも。」とちょっと焦った。ヴェニスのピアザで演奏しているミュージシャンのジャンがある夏の日、ガーデナー夫妻と出会う。トニー・ガーデナーは主人公の母親が傾倒するジャズミュージシャンで、ジャンは大喜びで話しかけるのだけど、夫妻にはある秘密があって・・・。

1日に1ストーリーだけ読む。と決めて開いた本だったので、次を読みたい気持ちを抑えながら翌日2話目。とても奇妙なお話で、ああなんか、このどっちの頭がおかしいのかわからない感じ、この定かではない位置関係と記憶、とてもっぽいなーと思いながら。エミリーとチャーリーという学生時代から仲良しのカップルの関係の危機を「救う」という役割を与えられたレイモンド。カップルも不確かだけど、読んでいくうちに、レイモンド、大丈夫ですか???という展開に。これを読み終わった後も、なんか、納得いかない。


次の日に3話目を読んで、これがイギリスの片田舎のカフェで切り盛りする姉夫婦宅へ居候するギタリストとトラベリングミュージシャンの話なのだけど、これもそこまでなんとも思わず、だけどぐんぐん世界観に引き込まれていく私。

4話目、ブックタイトルにもなっているNocturnes。整形手術後の才能話だけど売れてるスターと、容姿が悪くて売れないけど才能はあるサクソフォニストが、包帯ぐるぐるの状態でホテル療養。この設定に思わず吹いてしまったけど、このスターの名前がガーデナーさん。1話目と直接的に繋がってくる。ガーデナーさんがまたなんともワッキーな性格で、なんでこんな感じなのかなあ?と思っちゃうけど、そこが面白く、どんどん読む。この話を読むと、前の話の味がぐんぐん増してくる。音楽を聴いた後の余韻じゃないけれど、深みが増していく。

そして最後の話。才能はあるけどチェロが弾けない「チェリスト」と才能はあるしチェロは弾けるけど日の目を見ない若いチェリストの不思議なプライベートレッスン。二人で見る夢の果てが切なかった。

5編全て、まったく違うトーン、リズム。今さっと5話思い出してみても、ああ、なんか似たような話ばかりだったなあとか、どれがどれだったか混ざっちゃうよ、とかそういうのは全然ない。変調されるように、まったく違う音が響く。それなのに、5つのストーリーはしっかりと調和していて、同じテーマを繰り返し深め、伝えている。

この「なんでこんな感じなのかなあ?」っていうのが、最終的に解決されないのに(解決されるという質のものでもないけど)、気がついたらすっきりしているというのが好き。そして、やっぱり、この人の本は読みやすい。だけど、短編よりも長編が好きなだあ。

ただ、今まであまり感じなかったけど、フェミニズムの本を続けて読んでいたからか、イシグロさんは結構ジェンダーに対してはコンサバに感じた。

2017年、イシグロさんの本を全部読めて本当に幸せでした!!ありがとうございました。

コメント

  1. こんにちは。
    タッピー君のリュックサック、とっても可愛い「きつね」さん、ですね。
    私もそんなきつねさんのUPしてくれた写真を見て、コアラとうさぎのリュックサックの製作を予定しています。
    しばらくは主人と過ごして、授かったときにはプレゼントしてあげたいでと思っています。
    気に入ってくれるかは、わかりませんが・・・(笑)
    また、ブログを覗きに来させてくださいね。

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