一年
週1で友人と市場に行く。街市やウェットマーケットと呼ばれる、町中に突然現れる本格的な市場で、豚肉や魚、野菜や干物、仏具などいろいろなものが売られている。香港でうまれそだった友人ふたりが連れていってくれるのだけど、この時間をわたしはとても楽しみにしている。香港の食材のことを学べるし、広東語の練習ができ、そして何よりも友達と朝ご飯を食べて市場に行くまでにお互いの近況報告というか、こどもやパートナーのことなど話し合って、関係をつくることもルーティン化されているので、居場所ができたというか、ほっとする気持ちがある。
前学期までは子供たちをインターナショナルスクールに通わせていたため、ほとんどローカルの友人ができなかったのだけれど、今学期からは香港の地元学校に通わせ始めた。勉強が厳しい、大陸の教育が流入してくる、などを理由に地元学校を猛烈に反対する人が多かったのだけれど、いざ入れてみると(かなりリサーチをして慎重に学校は選んだ)とてもいい。政府の助成金があるぶん、施設が充実しているし、中国語が母国語ではない生徒たちにも個別に対応してくれるサポートシステムがある。何かあれば担任の先生からラインのようなアプリで連絡が来る。「子供たちが心から安心して学び、遊べるようにサポートするのがわたしの役割です。なんでも相談してください」 というのが担任からの最初のメッセージだった。上の子は、日本でもカナダでも小学校に通ったけれど「学校の施設自体は雪ぞりができたカナダがよかったけど、先生たちは香港がいちばん大好き」と今日も言っていた。毎朝5時半に起きて1時間かけてバスで通っているけれど、とても楽しそう。下の子は近所の幼稚園に通わせている。この子の友達の母親が、わたしが広東語を学んでいることに大きな興味を示し、積極的に話しかけてくれた。
「そんなに熱心に広東語を勉強してくれてるの、なんだか不思議でうれしい!」と言ってくれて、それから鬼コーチのように発音を正してくれる。ほんとにありがたい。ママたちによるワークアウトグループと街市への買い物グループへのお誘いを受けたけれど、週4日早朝に走り、あと3日は軽めの筋トレを自分に課しているため、 買い物だけに参加することにした。
子供をスクールバスに乗せた後、朝食を一緒に食べて市に向かう。香港は朝ご飯文化が素晴らしく、かなりボリューミーなものをみんなで食べている光景をよく目にする。去年、香港に来たばかりのころはあの朝ご飯グループの中に自分が入る日が来るなど想像もしていなかった。おいしくてうれしい予想外の展開です。魚にすごく詳しいママがひとりいて、市ではその人のうしろをくっついて回っている。広東語オンリーの時間がもっと増えたらいいな。
広東語を勉強し始めてもう一年が経った。1週間に1日だけ2時間ずつ。仕事がいそがしいときは予習復習もせず、「勉強できてません!」とぼろぼろの状態で顔を出すわたしをやさしく指導し続けてくれた先生に心から感謝している。釣りがしたいと言えば釣竿をくれ、涼茶が気になっていると言えば代表的な涼茶を買ってきてくれ、疲れた朝はおいしいコーヒーをいれてくれ、面白いしおいしい香港情報と釣りアドバイスを惜しみなくくれる先生に、フォーエバー感謝してる。ほんとうにありがとう。
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