Your Face

朝少し勉強して、たっちゃんに会いに行く。
彼は映画のことに詳しくて、色々教えてくれる。
ちょこっとしか会えなかったけど、お気に入り映画のリストをくれた。
また見たい映画リストが長くなった。

そのままストリートカーに乗って、ボランティアへ。
難民のおばあちゃん達に英語を教えるボランティア。
少し早く教室に着いたら、一人の生徒がコーヒーに連れて行ってくれて、
いろいろおしゃべり。もうすぐ三年になるから、なんでも話せる。
生徒達の腕にちらほら、カナダデイの"I Love Canada"というフェイクタトゥーが赤々と残ってる。
「カナダ大好き」と眩しい笑顔で話してくれる。

私の教室のスタイルは、「生徒の引き出しからいっぱい出してもらう」こと。
私よりも何十年も長く生きて、カナダ生活も長い彼女達は、
英語のレベルを一括りにはかるのがとても難しい。

初級レベルの単語が分からないと思ったら、
すごく専門的なこと、上級レベルの単語を使ってぺらぺらしゃべる。
なので、ニーズが分かるようにするためにも、いっぱいしゃべってもらう。
二時間のクラスの中で、私がしゃべるのは３０分も無いように思う。
３年間試行錯誤して、色々フィードバック受けながら、みんなで作った形。

ひとりひとりのお話の中に、壮絶な人生が垣間見える。
伝えたい、という姿勢がどんどん表現を自分の中から引き出していくし、
それが様々な質問にもつながる。私自身、学びの連続。
言語もそうだけど、人生や、戦争、生き死について。

今日は帰り際、１人の生徒が
Kitsune!とにこにこ呼び止めてくれたので振り向くと、

Your face!

と私の顔をまっすぐ見る。

What about it? ときくと、

I love it! とおばあちゃん、きつくHugしてくれる。
オーストラリアに住む、お孫さんと私は良く似ているらしい。

大学に行く前に、いつものベトナム料理屋さんでフォーを食べ、
いつものアクセサリショップでシンシアと世間話。
ペルーのかわいい刺繍のヘアバンド。割引してもらって買っちゃった。

ペルーで手作りされたヘアバンド

風の強いトロントにぴったりのアイテム

このボランティアも普通にフルタイムの仕事するようになったら、できなくなるなあ。
「いつもの」、ルティーンがなくなっちゃう。

大きな雲がもくもくと近づいてきて、オンタリオ湖から吹く南風がびゅんと背中を押す。
雨が降りそうで、降らない。

意地悪なバスの運転手さん、お酒臭い隣に座るおじちゃん。

トロントの夏は、良いことと悪いことが極端のような気がする。

大学での仕事も集中して終らせる。この仕事も、生徒と関わらせてもらう仕事。
年代は大学の学部生。もうこの仕事は一年くらいなるけど、本当に、みんなかわいい。
できるだけ力になれたらと思う。

帰り道はマイケルとまたてくてく歩く。PATでちょこっと買い物して、
クリスティー公園で休憩。子どもとか犬を見ながら話すのが好き。
砂場で一緒にあそびたくなる。

帰り道。いつもの小道で

みつけた大きな白い花の木

論文が終って、ずっとためていた人と会う約束が盛りだくさんだ。

I missed your faces!

本当にはやく、みんなに会いたい。

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