クラスでちゃんと英語で発言したいあなたへ
大学院留学を控えている方から、スピーキング対策についての質問をいただいたので、答えてみたいと思います。
「自分の意見をしっかり伝えたい。そのためにはどうしたらいい?」
これはカナダ、アメリカの大学で勉強する上でとても大切な気持ちだと思います。私には米国で一年の大学学部経験、トロント大学院での2年間の経験しかないので、アドバイスが北米に偏ってしまいますが、何か参考になればうれしいです。
そして私は超文系なので、どこまで理系の大学生活に役に立つのかわかりません。
まず、私のスピーキングのレベルですが、ここ数年はネイティブスピーカーに間違われることも多くあります。だけど、自分としては本当にまだまだだと思うし、あんまり発音にこだわらなくなってきてるので崩れてきている気がする・・・。私は感情型スピーキングなので、あんまり頭で考えずぽんぽん英語を使うタイプです。新しい単語を聞いたら、音で覚えて、チャンスがあったらすぐに使っちゃう。単語が定かじゃなくてもとりあえず言ってみる。みたいなタイプです。(私の留学前の英語力、英語勉強法はこちらから)
1信頼できる関係づくりを
まず、大学院を始めるにあたり、私はすっごく不安だったので、教授に予めアポをとり、どんな用意をしたら良いのか直接聞きました。実はこの教授には合格をいただく前から連絡をとっていました。どうしても、彼の元で勉強したかったから。3回くらい大学院が始まる前に会ってもらって、どんなことに興味があるのか、どんな授業なのか、どんな文献をあたればよいか、アドバイスをもらいました。結局この先生に修士論文までしっかりお世話になり、また、大学生活で困ったことがあったら相談に行くようにしていました。
思えば、コロラド留学時代も大学に入ってから、好きなジュリー先生のところに直接話をしに行って、たくさんのアドバイスをもらいました。日本の大学の提携校や、もうすでにコネクションがあるところに留学する場合はまた別ですが、初めての土地で留学生活を送るのは思うより孤独だし、大変です。大学の中にいる頼りになる信頼できる先生を見つけて、オープンに話し合える間柄を作ると、自然に自分の居場所ができていきます。
同じように、クラスメイトや同じデパートメントの人とはきちんとコミュニケーションをとる関係を作っておくとよいです。安心してクラスに行けるのはとても大事なことです。
2リーディングからスピーキングは始まってる
とは言っても、信頼関係はすぐには作れないし、話せないと何も始まりません。私の経験した限りでは、大学院の授業はしゃべってなんぼ。ディスカッションしてなんぼです。ただ、学校や教授によっては、静かに傾聴してるだけでも、「アクティブリスニング」という項目で参加点をくれる場合もあります。とは言っても、ディスカッション中に自分以外の全員がしゃべってるのに、黙っているのはかなり居心地悪いです。
課題のリーディングのとき、
ーサマライズしながら読む
ークリティカルに読む
ー自分ならどうアプローチするか、何が気になったか、気づきを必ず書く
この三つを心に留めて読むとかなり参加度合いが上がると思います。リーディングに何が書いてあったか自分の言葉で言えるか、書いてある情報を鵜呑みにして良いのか、他のソースはなんと言っているのか、そしてどんな小さなことでも疑問に思ったこと、気になったことをメモします。また、自分ならこうする、こう考える、というのがあれば尚グッド。
3 クラスでの発言に対する態度の違いを心にとめる
私の受けた日本での教育では、「私の意見なんて全然たいしたことないから、みんなの時間を無駄にできないよ」とか「これ質問したいけど、他のみんなは知ってるかもしれないから遠慮しよう」とか、集団を重視する心、恥の心が強く働いてしまうことが多くありました。
だけど、こちらでは、「私が大事だと思うから聞く。」「私がわからないと思うから聞く。」「私だって、このクラスの一員。私がわからないこと、思う事、一緒に考えてちょうだい。」という感じを周りのクラスメイトから強く受けました。そしてそれを、「クラスの時間の無駄」と捉えず、「クラスへの貢献」と捉えます。
初めは私も慣れませんでした。ばしばし手を上げて、自信満々なのに全然面白くない意見を言う人がいっぱいいて、「それでいいなら私だって言えたのに」とかぶーついたこともありましたが、そういう問題じゃない。「こう思ってるよ」「考えてるんだよ」の意思表示が大切なんですね。だんだん、こっちの方が好きになってきて、最近では単語がわからなくても、「それはなんだい?」と手を上げて質問します。聞き逃したり、わからなかったりして、消化不良で会話が終わってしまうより、ちょっぴり冷や汗かいたほうが、全然マシです。
4 ノート取りに集中しすぎない、だけど効率よくノートをとる
人が発言していたり、先生が講義しているとき、ノートを速く取れることは素早い発言につながります。なので、情報を選び、どんな風に書くかは大事。例えば、
without をw/o
including をincl.
population を 人口
など、自分なりの記号などでさっと書くこと。また、誰かが話してるときに気になったことをわかるようにサッとメモして、その場できく、また、後のディスカッションでもう一度もってくる、というのも大事。ノートばっかりとって、全然ディスカッションに参加しない人をたまに見かけますが、顔も上げないので、あんまり印象がよくないです。
5 批判すること、されることを個人攻撃だととらない
たまにディスカッションで反対意見があったり、自分が発した意見を真っ向から批判されたりします。これを感情的にとって、へこむ日本人の友達がいました。「私に敵対してる!」って。だけどクラスが終わると、批判していた人はケロッとしてる。意見を戦わせてるだけであって、その人を批判しているわけじゃないからです。なので、あんまり感情的にならず、あくまでも理論で冷静に参加することが大事です。
また、自分が何かおかしいぞ、これ、違うんじゃない?と感じるときはちゃんと指摘したほうが良いです。だけど、ワンクッション置くことを忘れずに。
みたいな入りがいいかもしれないですね。
6 自分のスピーキングの聞こえ方に注意する
自分の発音はききやすいか、声のボリュームは大丈夫か、早く話しすぎてないか、に気をつけることはとても大事です。良いことを言っていても、全然伝わらなかったら意味がない。私はスピーキングの練習するときはレコーダーは必ず使います。自分が発音してるつもり、でも、多くの場合、全然できていないことがあります。だから、客観的に自分の声を聞く機会を持つことはとても大事です。また、講義自体にレコーダーを持って行き、自分の発言がどう聞こえているのかを分析するのも有効な手段です。
7 話そうと努力する、失敗をおそれない
やはり、一番大事なのは自分から発言しようと思考錯誤してみる、工夫してみることだと思います。黙っていたらしゃべれない。カナダでは別にぐーんと手をあげなくても、教授に目で合図したり、ペンをちょこっと上にあげれば、発言の意図が承認され、発言の順番が回ってきます。だから、とりあえず合図して、しゃべってみよう!
そして、発言ができなくてもあまり悩まず、先生に素直に話してみるのも大切です。最初からできる人なんていないから、できないことを恐れずに、恥ずかしがらずに、「私はこの学校にいるんだから、私を取ってくれたんだから、お手伝いしてください」ってちょっとずうずうしいくらいで良いと思う。
ということで、とても偏ったアドバイスになっちゃったかもしれませんが、質問者さんのお役に立てればとてもうれしいです。質問は随時受け付けているので、横のメッセージ欄やコメント欄からいただけたらその都度対応させていただきます。
I hope it helps! Good luck with your studies. :)
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「自分の意見をしっかり伝えたい。そのためにはどうしたらいい?」
これはカナダ、アメリカの大学で勉強する上でとても大切な気持ちだと思います。私には米国で一年の大学学部経験、トロント大学院での2年間の経験しかないので、アドバイスが北米に偏ってしまいますが、何か参考になればうれしいです。
そして私は超文系なので、どこまで理系の大学生活に役に立つのかわかりません。
まず、私のスピーキングのレベルですが、ここ数年はネイティブスピーカーに間違われることも多くあります。だけど、自分としては本当にまだまだだと思うし、あんまり発音にこだわらなくなってきてるので崩れてきている気がする・・・。私は感情型スピーキングなので、あんまり頭で考えずぽんぽん英語を使うタイプです。新しい単語を聞いたら、音で覚えて、チャンスがあったらすぐに使っちゃう。単語が定かじゃなくてもとりあえず言ってみる。みたいなタイプです。(私の留学前の英語力、英語勉強法はこちらから)
1信頼できる関係づくりを
まず、大学院を始めるにあたり、私はすっごく不安だったので、教授に予めアポをとり、どんな用意をしたら良いのか直接聞きました。実はこの教授には合格をいただく前から連絡をとっていました。どうしても、彼の元で勉強したかったから。3回くらい大学院が始まる前に会ってもらって、どんなことに興味があるのか、どんな授業なのか、どんな文献をあたればよいか、アドバイスをもらいました。結局この先生に修士論文までしっかりお世話になり、また、大学生活で困ったことがあったら相談に行くようにしていました。
思えば、コロラド留学時代も大学に入ってから、好きなジュリー先生のところに直接話をしに行って、たくさんのアドバイスをもらいました。日本の大学の提携校や、もうすでにコネクションがあるところに留学する場合はまた別ですが、初めての土地で留学生活を送るのは思うより孤独だし、大変です。大学の中にいる頼りになる信頼できる先生を見つけて、オープンに話し合える間柄を作ると、自然に自分の居場所ができていきます。
同じように、クラスメイトや同じデパートメントの人とはきちんとコミュニケーションをとる関係を作っておくとよいです。安心してクラスに行けるのはとても大事なことです。
2リーディングからスピーキングは始まってる
とは言っても、信頼関係はすぐには作れないし、話せないと何も始まりません。私の経験した限りでは、大学院の授業はしゃべってなんぼ。ディスカッションしてなんぼです。ただ、学校や教授によっては、静かに傾聴してるだけでも、「アクティブリスニング」という項目で参加点をくれる場合もあります。とは言っても、ディスカッション中に自分以外の全員がしゃべってるのに、黙っているのはかなり居心地悪いです。
課題のリーディングのとき、
ーサマライズしながら読む
ークリティカルに読む
ー自分ならどうアプローチするか、何が気になったか、気づきを必ず書く
この三つを心に留めて読むとかなり参加度合いが上がると思います。リーディングに何が書いてあったか自分の言葉で言えるか、書いてある情報を鵜呑みにして良いのか、他のソースはなんと言っているのか、そしてどんな小さなことでも疑問に思ったこと、気になったことをメモします。また、自分ならこうする、こう考える、というのがあれば尚グッド。
3 クラスでの発言に対する態度の違いを心にとめる
私の受けた日本での教育では、「私の意見なんて全然たいしたことないから、みんなの時間を無駄にできないよ」とか「これ質問したいけど、他のみんなは知ってるかもしれないから遠慮しよう」とか、集団を重視する心、恥の心が強く働いてしまうことが多くありました。
だけど、こちらでは、「私が大事だと思うから聞く。」「私がわからないと思うから聞く。」「私だって、このクラスの一員。私がわからないこと、思う事、一緒に考えてちょうだい。」という感じを周りのクラスメイトから強く受けました。そしてそれを、「クラスの時間の無駄」と捉えず、「クラスへの貢献」と捉えます。
初めは私も慣れませんでした。ばしばし手を上げて、自信満々なのに全然面白くない意見を言う人がいっぱいいて、「それでいいなら私だって言えたのに」とかぶーついたこともありましたが、そういう問題じゃない。「こう思ってるよ」「考えてるんだよ」の意思表示が大切なんですね。だんだん、こっちの方が好きになってきて、最近では単語がわからなくても、「それはなんだい?」と手を上げて質問します。聞き逃したり、わからなかったりして、消化不良で会話が終わってしまうより、ちょっぴり冷や汗かいたほうが、全然マシです。
4 ノート取りに集中しすぎない、だけど効率よくノートをとる
人が発言していたり、先生が講義しているとき、ノートを速く取れることは素早い発言につながります。なので、情報を選び、どんな風に書くかは大事。例えば、
without をw/o
including をincl.
population を 人口
など、自分なりの記号などでさっと書くこと。また、誰かが話してるときに気になったことをわかるようにサッとメモして、その場できく、また、後のディスカッションでもう一度もってくる、というのも大事。ノートばっかりとって、全然ディスカッションに参加しない人をたまに見かけますが、顔も上げないので、あんまり印象がよくないです。
5 批判すること、されることを個人攻撃だととらない
たまにディスカッションで反対意見があったり、自分が発した意見を真っ向から批判されたりします。これを感情的にとって、へこむ日本人の友達がいました。「私に敵対してる!」って。だけどクラスが終わると、批判していた人はケロッとしてる。意見を戦わせてるだけであって、その人を批判しているわけじゃないからです。なので、あんまり感情的にならず、あくまでも理論で冷静に参加することが大事です。
また、自分が何かおかしいぞ、これ、違うんじゃない?と感じるときはちゃんと指摘したほうが良いです。だけど、ワンクッション置くことを忘れずに。
I understand what you're saying but...
I think you made a good point but...
みたいな入りがいいかもしれないですね。
6 自分のスピーキングの聞こえ方に注意する
自分の発音はききやすいか、声のボリュームは大丈夫か、早く話しすぎてないか、に気をつけることはとても大事です。良いことを言っていても、全然伝わらなかったら意味がない。私はスピーキングの練習するときはレコーダーは必ず使います。自分が発音してるつもり、でも、多くの場合、全然できていないことがあります。だから、客観的に自分の声を聞く機会を持つことはとても大事です。また、講義自体にレコーダーを持って行き、自分の発言がどう聞こえているのかを分析するのも有効な手段です。
7 話そうと努力する、失敗をおそれない
やはり、一番大事なのは自分から発言しようと思考錯誤してみる、工夫してみることだと思います。黙っていたらしゃべれない。カナダでは別にぐーんと手をあげなくても、教授に目で合図したり、ペンをちょこっと上にあげれば、発言の意図が承認され、発言の順番が回ってきます。だから、とりあえず合図して、しゃべってみよう!
そして、発言ができなくてもあまり悩まず、先生に素直に話してみるのも大切です。最初からできる人なんていないから、できないことを恐れずに、恥ずかしがらずに、「私はこの学校にいるんだから、私を取ってくれたんだから、お手伝いしてください」ってちょっとずうずうしいくらいで良いと思う。
ということで、とても偏ったアドバイスになっちゃったかもしれませんが、質問者さんのお役に立てればとてもうれしいです。質問は随時受け付けているので、横のメッセージ欄やコメント欄からいただけたらその都度対応させていただきます。
I hope it helps! Good luck with your studies. :)
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きつねさん。こんにちは。
返信削除以前大学院に関しての質問をさせていただいたものです。
きつねさんのご回答、姿勢を正して読ませて頂きました。
こんなに丁寧に、わかりやすく的確に書いていただき大感激です。本当にありがとうございます!
アドバイス頂いた7点、とても参考になりました。
私のように大学院進学や学部進学を考えている方のみならず、
語学学校に通われている方にもとても有益な情報になると思います。
私も失敗をおそれず、勇気を出してもがいてみようと思います。
またコメントさせてくださいね★
AIさん、
削除読んでいただいてありがとうございます。質問やコメントなどはブログを書く中でとても励みになるので、これからも是非遊びに来てください!
留学、充実してものになることを祈っています。なんでもあまり力まずに、オープンな気持ちで挑戦するのがベストだと思います。
looking forward to talking to you again soon! Good luck!