長い英文、どうやったら読める?

メッセージで英語を読むことについて質問をもらいました。メッセージ、ありがとうございます。質問を紹介すると:


きつねさんは長ーいペーパーとか小説とかどのように読んでいますか?


あとわからない英単語があればその都度英英辞書か英日辞書ひいていますか?

数年英語圏に住んでいるけど、英文をどうやって読むのか、最近わからなくなったというコンテクストでした。

前回のエントリーで速く英文を読むというのを書いたので、そちらも参考にしてもらえればと思います。

私もリーディングは英語の4技能、書く・話す・聞く・読むのなかで一番苦手でした。
トロントに来る前のTOEFLでも書く・聞くは満点なのに、読むセクションで点数を落としてしまったし。
(話すが読むの次に悪かった)

でも今は、洋書を読むことが一番の楽しみと言っても過言じゃないくらい、好きになりました。

私がどう言う風に読んでいるか、ちょっと書いてみます。

まずは長いペーパーと、小説は分けて考えるのが良いと思います。

長いペーパーを読むとき

長いペーパーはおそらく、仕事や学校の課題、研究など特定の目的意識を持って、読む場合が多いと思います。その場合、大事なのは”何を見つけるために読んでいるのか”をはっきりさせること。

ただ漠然と、課題だから読むぞー、と読み始めると、一体何を読んでいるのかの検討もつかないままテキストにのぞむことになります。だけど、読み始める前にアブストラクト(要約)や、シラバスなどで「なぜこのテキストが課題として出されているのか」「このテキストで何を学ぶべきか」という質問をして、目的意識を持って読むことでテキスト全体に注意するのではなくて、大事なところを集中して読み、他を流す緩急をつけた読み方ができるようになります。

大事だと思うところは、しっかりと辞書を引いて読む。その他はある程度流して、時間があれば戻って辞書を引く。

もう一つペーパーを読む上で大事なのは、自分がどう思うのかをクリアーにしていくこと。長いペーパーは読んでいくうちに文章を目で追って意味が分かった気になって、実は全然頭に入っていないことがあります。なので、パラグラフや、章ごとに、自分がどう思っているのかを書きとめておくことで、インプットがきちんとできます。こうしておくと、クラスでの発言もしやすいです。

小説を読むとき

仕事とが勉強ではなくて、楽しみで小説を読むとき。私は基本小説を読むときは辞書はひきません。ただ、重点的に辞書をひくポイントがふたつ。


①最初の章

小説の最初はキャラクターや舞台設定など、作品を読む上で大切な情報が盛りだくさんです。ここでいかに内容を把握できるかが大事です。なので、面倒でも、極力ここでは辞書を使います。

だけど、同時に辞書を引いてもなんとなくしっくりこないのも最初の章です。筆者の文体や世界観に慣れていないときは尚更。なので、辞書は細かく引くけれど、分からなくてもいいや、くらいの気持ちでとにかく最初の章を終える事が大事です。 ストーリーが進んでいくと、内容の面白さに引きずられて、また、同じ単語が何度も出てくるので、自然にリズム良く読めるようになってきます。そうなったときに最初の章に戻ってみると、「これはこういうことだ!」ってちゃんと分かるようになります。

②名詞

ストーリーにのめりこむと、ある程度の動詞や形容詞は辞書を引かなくても、なんとなくわかる、補えるようになってきます。だけど、固有名詞や古いものの名前はやっぱり難しいです。そういうとき私はまず辞書を引きます。だけど、辞書をひいて名詞の意味を読んで、なんかぴんと来ないときがあります。なので、グーグルイメージを併用します。もう目で見ちゃう。

例えば、Blackbirdという名詞が分からないとして、辞書で引くと、
こう。
an American bird with a strong pointed bill. The male has black plumage that is iridescent or has patches of red or yellow. 

グーグルイメージだと、こう。




視覚的に分かりたい人にはグーグルイメージの併用おすすめです。

ジャンルに関係なく

英文を読むうちに集中力が切れてきたり、または読む気がなくなってしまったとき、私は3ページくらい音読します。声に出して読むことで、一つ一つの単語に注意が払えます。読むスピードは落ちるけど、あきらめるくらいなら、ゆっくりでもちゃんと読めたほうがいい。

英文を読むとき、頭の中で音読している、ような感覚のときもありますが、大体は私の場合、読んでいることを忘れている、ことが多いです。言葉は目で追ってるけど、頭の中は音というより、イメージが渦巻いてる感じ。昔、知り合いのカナディアンの英語の先生が言っていましたが、


「林という感じを読むときに、木が二つ有るから林だ、と日本語のネイティブの人が思わず、すっと林というコンセプトが無意識に流れるように、僕達も単語を見て音よりも、瞬時にコンセプトが流れてくる。」

ローラと英語を教えているときに、良く教室で2人で音読します。ローラはアメリカ出身の英語のネイティブスピーカーですが、音読するときは、ローラの読み間違いの方が私の読み間違いより多いです。それは、単語の頭、もしくはぼやーっとした形、そして文の流れの中でもう次の単語を自然に想像してしまっているからだと思うんです。その予測力をつけるためには、やっぱり量をこなすしかないと思います。

細かいことを気にせず、とにかく英文に目を通す多読を取り入れてみる。例えば、メトロなどで配られてる新聞や、好きなファッション雑誌など、毎日必ず目に触れるところに置いておいて、何気なくぺらぺらめくるとか。しっかり辞書を使って読む(精読)ものと、多読で(わからなくても)どんどんめくる読み物と、二種類用意すると良いかもしれません。

人それぞれ

色々書いたけど、英文の読み方は人それぞれだとおもいます。マイケルはカナディアンの英語ネイティブだけど、速読は苦手で、じっくり頭の中で音読するそうです。私は頭の中で音読せず、かなりビジュアル、感覚で読んでいます。だけど、翻訳の仕事が多くなり、言葉にもっと注意するようになって、分からない単語はペーパーでも、小説でも細かくチェックするようになりました。

日本で学生していたときは、教授から「君の辞書は勲章だね」と言われるくらい紙辞書を使っていたし、もう分からない単語があったら、気になって夜も眠れないくらいでした。まずはやっぱり単語力が土台になると思います。



私もまだまだ、専門的な英文や、どうもリズムが合わない小説を読むの、とても苦労します。
なので、どこまでここに書いたことが参考になるか分かりませんが、少しでも力になれたら嬉しいです。また何かあったら教えてください!


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コメント

  1. kitsuneさん、おはようございます!
    なにより、論文の提出、おめでとうございます☆☆☆ ふわぁ〜っと解放された気分でしょうね。猛烈に集中して書き上げた様子が伝わってきました。素晴らしいです。
    提出した後も、お友達に会ったりボランティアに行かれたり、本当に毎日を大切に過ごされているなぁって感心しています。トロントにしっかりと根を下ろして生活されている様子も刺激的です(私はビクトリアに長いのに、まだなんだか浮ついているし)。前回の英文の読み方についての記事もとても参考になりました。読み方を変えてみる、ということ、なるほどなぁと思います。それから、最初の章では辞書をひくなりしてきちんと理解する、というのは的を得たポイントですね。音読というのはしたことがないので、今度一度試してみます!
    いつも投稿を楽しみにしていま〜す♪

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    1. papricaさん、
      コメントありがとうございます。そして、応援のコメントもありがとうございました!
      論文終って、本当にすっきりしました!!毎日何しようかなーと考えられるのが幸せです。私もまだまだトロント、夢の中に住んでいるような気がするときがあります。現実感がないというか。今年の春から少しずつ、トロントのコミュニティの一員という気持ちがするときも増えてきたように思います。ビクトリアはとってもきれいなところだと聞きます。いつか行ってみたいです。
      私は小説は大好きですが、ペーパーとか、専門書はしっかり目標設定しないと、読んだそばから全部忘れちゃうので、試行錯誤して読み方を帰る形で今は落ち着いています。
      音読は、眠さから抜け出すための技です。ときどき効き目が無く、ギブアップしちゃうときもあるけど。
      夏のカナダ、とてもきれいですね。お庭の様子など、とっても羨ましいです。私もPapricaさんの毎日、楽しみに読ませていただいています。

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