Speak for Tears

先住民の女性は先住民でない女性に比べて、
殺人の犠牲者になる可能性が約4倍高い、と言われている。

Missing and Murdered Aboriginal Women

という見出しを新聞やニュースで目にすることが最近多い。
先住民の行方不明、また、殺害される事件が未解決のものが多いため、
先住民コミュニティーの人たちが正式に調査をして欲しいと申し入れた。

ハーパー政権はそれを拒否。

セリーヌ・クーパーがどれだけ状況が深刻なのか書いているので紹介する。

According to a recent RCMP report, there were 1,181 cases of missing and murdered Aboriginal women between 1980 and 2012 in Canada. They account for 16 per cent of female homicides and 11.3 per cent of all cases of missing women in Canada.

(RCMPによると、カナダ国内で1980年から2012年にかけて、1181の先住民女性の不明、または殺人事件が報告されている。女性が被害となる殺人事件の16%、不明事件の11.3%にものぼる。)

Put differently, they are around five times more likely to be murdered than non-Aboriginal women and girls. And yet Aboriginal women and girls — First Nations, Métis and Inuit — account for a mere 4.3 per cent of the overall Canadian female population.

(言いかえれば、先住民ではない人口の5倍の確率で被害にあいやすいということ。驚くべき点は、先住民女性人口は(ファーストネーションズ、メイティ、イヌイット全て含めて)カナダの女性人口全体の4.5パーセントであるということだ。)*記事はここからCeline Cooper: Violence against Aboriginal women has to stop
犠牲者の追悼と、不明者の発見への祈り、そしてこの問題を多くの人に知ってもらおうと昨日、ダファリン公園でSpeak for TearsというVigilがあった。

Vigilとは、通夜をさすこともあるけれど、今回のものは眠らないで祈りをささげる儀式を意味して企画されたのだと思う。
焚き火の周りに先住民の人、先住民で無い人、50人くらい集まった。



私の隣にはレッドベアというオジブウェネーションのおじいさんがいた。もう長い間そこにいたようで、蝋燭がとても短くなっていた。
風が強かったのに、細い蝋燭の火を消さないで上手に守っていた。
何かオジブウェの言葉でおじいさんがつぶやいたので、何といったのですかと聞くと、
"I'm a fire person."
と答えた。だから火を守るのが上手なんですねと言ったら、
"No, the fire is good to me. Always good to me."

写真はNow Magazineよりお借りしています

レッドベアといろいろ話していたら、スマッジングがまわってきた。セージの燃える香り。
レッドベアはめがねを取って、その煙を頭からつま先までゆっくりと、手ですくってかぶせた。
スマッジングのお皿をもっていたのは、ヤングジブウェ。ファーストネーションのヒップホップアーティスト。スマッジングをしますか、と聞かれたので、教えてくださいと答えた。
"Ask for your inner cleansing."
レッドベアが教えてくれた。スマッジングはファーストネーションのセレモニーの前に行われるお清め。初めてではないけど、人によって作法がことなるので、いつも確認する。レッドベアによると、反時計回りにまわってくるのがモホークネーションで、時計回りがオジブウェなんだとか。
焚き火の周りで火のうた、水のうた、娘へのうた、男性へのうた。ドラムが響きわたり、力強い歌声が夜空にこだまする。
歌の後、家族を亡くした人、活動家、色んな人が火の前で話をしてくれた。
思い出したのは、2008年11月。パインリッジラコタリザベーション。「アメリカの第三世界」と呼ばれる、合衆国で最も貧しい場所のひとつ。ラコタの人たちが暮らす。その焚き火の前で、アイアンクラウドが、アメリカ最後の先住民の虐殺といわれるWounded Kneeについて話してくれた。
だだっぴろい草原を、月の女(ウィーアンパ)といわれる馬に乗ってエドの話をきいた。そこで、はじめて私は悲しいアメリカの現実を肌に感じた。
同じ焚き火を今度はレッドベアとみつめる。
「私は3人の妹を殺されました。」
火の前で私と同じくらいの女性がはなしている。
レッドベアが空を仰ぐ。悲しくてたまらない。
「みんながここに来てくれて、本当にうれしい。ありがとう。
Closingのあと、焚き火の周りでいろんな人と話す。
Vigilに行く前、私はヤングジブウェがつくったドキュメンタリーをみていた。


実際の証言を聞き始めたら、やるせなくなって、折り紙で鶴を折った。ドキュメンタリーの間、ずっと折鶴を折った。

焚き火の前にヤングジブウェを見つけた。Vigilのお礼を言っていたら、自分でもよく分からないけど、折鶴を手渡していた。

彼はとても驚いて、それから本当にうれしそうに笑い、Hugしてくれた。

Vigilのあと、Facebookでそれだけそれがうれしかったか、どんな意味があったのか、みんなにシェアしていて、たくさんの先住民コミュニティの人が感動していて、

なんだか照れくさかったけど、とてもうれしかった。



できることから少しずつ。


外に出てちゃんと会話を始めたい。



知らん振りは絶対にいやだ。


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