カメラデビュー

24日に出て、仙台に到着したのは25日の夜。東京のもやっとする暑さはなく、肌寒い。

機材などいっぱいの荷物を下ろして、監督たちと一緒に居酒屋さんへ。日本に帰ってきたのだけど、行ったことがない場所だったから、なんだか真ん中にいる気分で、変な感じ。

楽天が盛り上がっているせいか、居酒屋でアメリカから来た野球スカウトの一行かと間違われた。笑

長旅の後だったので、皆早めに寝るのかなと思ったけど、監督の部屋でカメラやマイクやその他のことを教えてもらい、寝たのは深夜とっくに過ぎていた。


少し眠った頃、揺れるので目が覚めた。きしきしホテルの壁が揺れて、それが長く続いて、怖かった。横のベットで寝てるボスは全然起きないし。翌朝、地震があったことを知った。

レンタカーを借りて、また機材を積み、取材へ。

初めてカメラの前で動き、通訳し、自分の質問をぶつける。マイクをつけてもらって、少しの打ち合わせの後、あとは自然に。いつも通り。

石巻で大川小学校に行ったのだけど、そのまま残っている校舎。えぐれた壁。読んで知っていても、自分でそこに立って、現地の人のことばを聞いて、それを通訳していると、たまらなかった。鎮魂の碑。刻まれた犠牲になった方の名前。絶え間無く訪れる花や線香を持った人。石巻市中心からそこにたどり着くまで、水際では多くの工事が進行中だった。

「震えてるけど、ジャケットを貸そうか」

と音声さんが気遣ってくれたけど、寒さで震えてたのか、気持ちがどこにも行けなくて震えてたのか、分からない。とにかく、ことばに集中して、目の前にいる人に集中して。

その日は、いくつか他の場所も訪れ、ホテルに移動した。夜の町を夕食探しに歩くと、多くの居酒屋でテレビがつき、楽天と巨人の試合を皆見ていた。私たちはあいにく、9回裏しか見れなかったのだけど。監督に「とてもよかった!」とカメラデビューをお祝いしてもらい、次の仕事の話までしてもらう。

パンクなライブハウス。若者たちがいっぱいのコンサートホール。おばちゃんがとってもお茶目なカフェ。元気で優しいウェイターさん。親切なホテルの人。よく声をかけてくれる通りすがりの町の人。おいしい牛タン。ふっくらしたご飯。脂の乗ったさんま。

夜の町は賑わう。

また深夜過ぎ、ホテルの部屋でマイケルと電話。一日で数え切れないたくさんの感情が沸いた。まだ一日目。このあとの旅、どうなるんだろう。

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