Empty Handed

先日少し書いた友達のホームレスのおばあちゃんが新しいアパートに引っ越した。

家庭内暴力から逃げて、約半年。シェルター生活で本当に色々ありながらも、やっとここまで。長かった。

学校と仕事の後、引越しの手伝い。昔の隣人がバンを運転してくれ、彼女の息子と私で主に運び込む。キジジに「ホームレスの友達にアパートが決まり、家具を提供してくれる方を募集しています」と載せたら、ソファベッドを提供してくれる人が現れた。友達も隣人も私も、ベッドの提供者も皆、移民。トロントは、「ふるさとから遠く離れて住む」人たちの親近感というか、仲間意識というか、そういうの、良く感じる。

汗だくになりながら皆で運び込み、夜9時ごろ終了。

嬉しそうに友達がシャンパンを開ける。この日のためにと、こつこつ貯金して買ったシャンパン。


皆で乾杯。

新しいお部屋。

あー、ほっとしたーーーー。

You're my angel.

と何度も繰り返す友達。感動すべきところだったのだろうけど、エンジェルってどんなのだっけかなと、頭の中で羽の生えたベイビーとか想像していたら、タイミングを逃してしまったよ。(←照れ屋)お礼とか言われると、なんか、むずむずして目が合わせられなったりしないですか?

まだうちに保管してる荷物も運ばないといけないけど、大体もう大丈夫そう。

一仕事終えて外に出ると、(お酒弱いので[好きだけど])シャンパンでほてった頬に心地良い夜風。友達がバス停まで送ってくれた。

最近道路工事が多いトロント。迂回しながら時間をかけてゆっくり走るバス。
久しぶりに聞いていたのはミシェル・ブランチの"Empty Handed"。サビこう続く。

I'm packing my bags 'cause I don't wanna be.
The only one who's drowning in their misery.
And I'll take that chance 'cause I just wanna breathe.
And I won't look back and wonder how it's supposed to be.
'Cause I'm packing my bags, and I won't be back.

「(私訳 やや適当)彼らの惨めさに溺れていたくないから、行くよ。
息をしたいからこのチャンスを逃さない。
どんな風になるはずだったのかな、って悔やんだりしないんだ。
荷造りをしてる。もうここに帰ることはない。」
私の10代後半のロールモデル:ミシェル・ブランチ


高校のときに好きで聴いていた歌手だけど、この曲は今でも時々聴く。結婚生活が惨めなものになっていったことを直視し、家を出ると決めてからの今までのぶれない決意、勇気、強さ。そして小さな部屋を「私のもの」と呼んだときの大きな喜び。

と同時に、シニアーで移民して、ホームレスになり、その一つの部屋とそこにあるものが、今の彼女にとっての全てであるという重い現実。

バスに揺られながらそんなことを考えた。

帰宅してちょこっと勉強。マイケルがマッサージしてくれて、いつの間にか眠ってしまった。

今日も一日がんばるぞー!

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