あなたとわたし

朝ごはん、マイケルが紅茶を入れてくれていたんだけど、何かが割れる音。
見てみると、４年前のお誕生日にマイケルがプレゼントしてくれたお気に入りのティーポットが割れていた。

Zero Japanのティーポット

色がいっぱいあって可愛いし、

洗いやすくてサイズがちょうどいい。

マイケルが悲壮感に満ち溢れた顔で振り返る。
怒りたい気持ちがあったけど、ぐっと飲み込んだ。

「怪我はない？大丈夫？」

ごめんなさい、と目を伏せるマイケルは、なんだか悪さをして見つかったビーグル犬見たい。かわいらしくて、なんだか滑稽で、思わず笑ってしまった。

「これはきつねにあげて良かったなあって思えるプレゼントだったから、僕はすごく悲しい」

とうなだれてる。
マイケルは手がとても大きいからか、結構お皿とかを割ってしまう。付き合ってすぐのとき、お気に入りのシャンパングラスが犠牲になったし、去年は有田焼の湯のみが欠けた。

「今日は悪い日になるに違いない」と自分を責めるマイケル。

「うちのお母さんは、こういう大事なものが壊れたら、バッドラックはここでお終い。
今日はいいことしかないって言うよ。」励ます私。

昔だったら絶対怒ってたけど、マイケルとの「居方（いかた）」が身についてきているような気がする。

熱も下がり、咳も治まり、
ミッドワイフの検診、キャンセルせずに済んだ。
咳がひどかったらうつすといけないので、行かないようにしようと思ってたけど、
なんだかすっかり良いみたい。

実際にお産のときの説明が始まる。
検診のときはマイケルがいつもメモを取ってくれるんだけど、

ミッドワイフのリズが

「マイケル、立ち会うのよね？へその緒切りたい？赤ちゃんを受け取るのもお父さんがしていいのよ」

と急に言われ、メモも忘れて、
マイケルの目が点になっていた。

へその緒、僕がきるの？？？

私の方をそのまぁるい目でじっとみるので、なんだか可笑しくなっちゃった。

ここ一週間風邪でほぼ何もできなかったのだけど、それでも赤ちゃんはちゃんと育っていて、いつの間にかお産の計画を立てる時期にきた。

二人でまた勉強しなくっちゃ。

赤ちゃんのお尻、手、足、頭がどこにあるのかしっかり教えてもらった。
しゃっくりや、おしっこ、蹴ったり、伸びたりの胎動が最近せわしなく、いつも一緒に赤ちゃんがいてくれるのがすごく分かる。

リズが頭を確認するためにぎゅっと押したとき、
赤ちゃんがいっぱい蹴った。
どんな世界なのかな？どんなことを感じているのかな？
びっくりしたり、少し不安だったり、気持ちよかったり、うれしかったりするのかな？

私たちが子どもの頃に「大変だなあ」と思ったことを今はほとんど忘れちゃうみたいに、
お腹の中のあなたにもきっと、今何か大変に思うことがあるのかな？
私の声はどんな風に聞こえてるのかな？

考えると不思議。

一時間かけて歩いた。風邪でできなかった分のお掃除もまとめてして、
消化に良い夕食を少し食べた。

いっぱいあるスクォッシュ。

全部どんな風なのか試してみたい！

大事をとって今夜の韓国語クラスは欠席。夜風は冷たい。

明日からお仕事も再開です。