トロントで働いてみて

トロントで、いろんな仕事をさせてもらった。

翻訳と教育関係が一番多くて、
今、中心は映像関係の翻訳・リサーチ・字幕付けの仕事。

一言で今、何を感じているか表すと、
めまぐるしい。

この業界なのか、ただこの会社がそうなのか、分からないけど、
映画の仕事、働く人の出入りが多くて、せっかく仲良くなっても、仕事が終ると何にも無い他人みたいになってしまって(まあ結局そうなのかもしれないけど)、

一度知り合って気の合った人とはながーくお付き合いできるようにしたい私は、こういうの、結構戸惑う。

もうクリスと働けなくなったし、今まで何人、一緒に働いていつの間にかいなくなってしまっただろう?
別にけんかとかじゃなく、みんなフリーランスなので、それぞれの役目が終ったら次のプロジェクトに行ってしまう。

毎回、会えなくなるたび、さびしい。予告無く次回から作業に来なくなることも有るから、ありがとうの手紙をせっせと書いたり(なんでかメールじゃ感謝の気持ちが伝わらないような気がして)しながら、皆ただ淡々とmove onするのだろうか、するんだよなーと考える。

私は今、意図せずして色んなところで訳の仕事に呼んでもらっているけど、それもやっぱりプロジェクト毎の契約で、それが終ったらバイバイ。次のプロジェクトで呼んでもらえればまた一緒に働くし、そのつながりでまた新しい出会いやチャンスはあるけど、長い時間をかけて同僚としての関係をはぐくむっていう雰囲気では全然無いよなぁ。

フリーランスの集まりでの仕事だから、動きが速くて、すごく多彩な人が出入りして、刺激的。

すぐになつき過ぎるのか、私。
仕事の関係なのに、割り切れず、お別れするのがつらい人がいっぱいだ。

こっちで仕事をしだして、気がついたこと。人と人の表向きの距離が近くなるのが速い。監督や雇い主に会って、すぐに握手して、ファーストネームですぐ呼び合ったり(私はまだ抵抗あって、呼べないときもあるけど)、友達みたいに会話する。冗談を言い合って、すぐに「対等」みたいな扱いを受ける。

だけど、本当の距離はなかなか縮まらないし、「対等」なんかじゃ全然無い。表向きにウェルカムな分、その調子でぐんぐんついていくと、実際はあっさりとしていて、別にそんなに分かり合えてない、距離も縮まってない。だからって、冷たいわけじゃない。その「パーソナル」と「ビジネス」の境界がきっぱりしてるのかもしれない。

淡々と人事の決断を下し、仕事してる監督を見てると、なんか、大人だなあと、思う。

去年撮影で行った大船渡

そして、色んな人と一緒に働くことが出来て、一つ、自分に目標が出来た。フリーランスで働く人たちは、1人で新しい環境に乗り込んでいく。そこで出会う人たちと働く。そのとき、自分にcomfortableで物怖じせず、信念を持って仕事できないといけない。私もどんな道をこれから選ぶにしても、ああいう自分に対する居心地の良さ、信念を持つ人になりたい。

そういうことが色々関係してなのか、最近、一緒に働く人がかけてくれる「褒めことば」を100%では受け取らない自分がいる。一喜一憂しないようになった。それより、批判されるときの方が、真剣に聞ける。批判してくれるとき、本当にありがたいなあと思う。

論文をすればやっぱりアカデミックもいいなあと思うし、
仕事をするとそれも楽しくて極めれるところまで挑戦したいとも思う。
成長したい。

にほんブログ村 海外生活ブログ トロント情報へ
にほんブログ村

コメント

人気の投稿