トロントに「かえる」

トロントに帰る日が近づいてくる。
そわそわして落ち着かない。

今回、二ヶ月近く里帰りして、色々な人に会い、たくさんのことを考えた。また、佐賀の「日常」に浸ることで回顧反省できたトロントの「日常」。

10年ぶりに連絡を取ってあった友達も、高校時代からの友達も、幼稚園からの友達も、これからも大切にしたい人たちがたくさんいる佐賀、日本。

それから、やっぱりかけがえの無い大切な家族がいる日本。

帰るたびに、エジプトの親友カザムの言葉がよみがえる。コロラド留学をともに終えて、アメリカを発つとき、彼は言った。

"Our physical proximity won't affect our emotional or spiritual proximity."
(物理的な距離は心の距離には関係ないんだよ。)

一年、二年、十年、会わない時間があっても、変わらずつながる人とはつながっているし、
昨日まで一緒に過ごしていたかのように、ゆっくりと楽しい時間が過ごせるのはとてもしあわせ。

大好きな人が苦しいとき、少し手が要るとき、側で即座に私の手を差し伸べられない、その場で声をかけられないのは、とても悲しいし、やっぱり寂しいし、やるせないから、これからもカナダで暮らすことへのジレンマは消えないのだろうけど、

日本にいるみんなが、壊さずにいつも持っている、作っていてくれる私の「帰る場所」がある限り、そのジレンマを超えて、自分の選んだ道を進んでいける気がする。

気持ちの良い秋晴れ。実家の庭で撮影。


トロントに帰る日が近づくと、トロントの友達や同僚からメールがたくさんメールが届く。

"I miss you. Let me know when you're back. Can't wait to catch up with you!"

マイケルと毎日スカイプしてると、いろいろ変わっているトロントのことがとても気になる。

こういうメッセージを読みながら、話しながら、私はトロントでもまた、何年も続いていく人間関係を今、作っているのかな。作っていけるかな。作って行きたいな。と、決意と言うか、あったかな気持ちになる。

トロントにあるもの、ないもの、佐賀にあるもの、ないもの、数えていけばどちらもキリが無いし、交換できるものでもない。佐賀にいる間、自分のジャーナルに日記をつけていたのだけど、そこに私は

「両方のものを数え上げて並べて、色をつけるのはやめよう。色をつけなくていいものだってある。両方のものを秤にかけて、首をかしげている暇が有ったら、今両手に抱えきれないほど持っているものを楽しもう。」

と書いていた。

私はまだまだ成長したい。学びたいこと、知りたいこと、たくさんあるし、家族のためにしたいこと、社会のために何が出来るのか考え実践していくこと、それこそ、数え始めるとキリが無い。

だから、トロントでマイケルと真正面から頑張ってみたい。そこが今の私達の選んだ場所だもん。

佐賀滞在中に、大学から修士論文を受理したと連絡があり、無事に卒業できることになった。新しい世界を目一杯見せてくれた大学院が終わり、トロントに帰って私が開く扉は全く違うものになる。

その新しい始まりの前に、佐賀に帰れて、家族と、自分自身とたくさんの時間を過ごせて、とてもよかった。前に進むために、一度リセットできたような、力を十分に蓄えた、そんな感じ。

のこり数日、佐賀をめいっぱい楽しもう。

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