静かなロマン:化石堀りのおじいちゃん

ノバスコシア滞在3日目。一日おきに夕食を作る。いつもは2人分しか作らないから、4人分はちょっと大変に感じるけど、喜んでもらえると嬉しい。夕食の後にお義母さんの好きな海、ファンディ湾について話を聞いていたら、とても面白い人物のことを教えてもらったので紹介したい。

☆ちなみに、場所の感覚がつかめるようにノバスコシアの地図を描いてみました!(めっちゃ適当でしかも下手でごめんなさい)ファンディ湾はちょうど中央左。本当はもっと広範囲。


マイケルのお祖父さんの古くの友人に、エルドン・ジョージというおじいさんがいる。
パーズボロというファンディ湾近くの小さな町で、石屋さんを営んでいる。

子供の時に事故で右手の自由を失ったエルドンさんは、ファンディ湾に面する砂浜で化石を見つけた。不自由な手では大好きなホッケーや野球はできないけど、化石堀りはできると、その日から毎日海岸に向かった。

自学自習で学び、石屋さんを切り盛りしながら、化石さがし。1984年、初期の小型肉食恐竜コエロフェシスの足跡の化石を見つけ、それが世界最小の足跡の化石として、一躍時の人に。それまで集めた化石、そしてプロの学者レベルの知識に多くから尊敬を集めるようになった。カナダの有名な生物学者、ジャーナリスト、環境活動家のデイビッド・スズキも彼を訪れ、番組の中で紹介した。(当時、エルドンさんすっごく喜んでいたそう。)

このファンディ湾は、ずっと昔、超大陸パンゲアがあった時代、今のモロッコとくっついていた土地なんだそう。モロッコにノバスコチアと合致する地層があるらしい。地球ってすごいなぁ。

エルドンさんは今年83歳。先週、ダルハウジー大学はエルドンさんの業績をたたえ、the Laing Ferguson Distinguished Service Awardを贈呈した。


エルドンさんとファンキーな恐竜
写真はヘラルドニュースからお借りしています。

マイケルも彼のお店を子供の頃何度も訪れ、恐竜が大好きになり、お店に飾ってあった大きな恐竜の模型(上の写真参照)を指差して、

"Can I have him, please?" (これ買ってもいいですか)

と聞いたそう。お父さんの車に乗るなら買ってもいいよ、というのが、エルドンさんの答えだったとお義母さんが教えてくれた。

困難にくじけず、好きなものを毎日コツコツ。今、どうにか、自分が管理できなくなった後もこの石コレクションをパーズボロに残しておけないか引受人を探しているよう。ふるさとに残したいと願うエルドンさんの思いもなんだか素敵だなと思う。

来週お店を訪ねてみる。砂浜を歩いて、何か見つけられるかな。

☆今までNova Scotiaを「ノバスコア」と表記していましたが、「ノバスコア」が正しいようです。訂正してお詫びいたします。
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