"I shall not hate"
今日は仕事で一日缶詰め。特に書く事が無いので、引越し前のブログからこちらに移したいものを掲載する。引越し前のブログは9月30日を以って、インターネット上から消されてしまう。残したい記事だけぼちぼち移したいな。(以下今年7月20日の日記)
"I shall not hate"
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この本の筆者、ガザ難民地区出身で初めて公的な医師としてイスラエルで働いたIzzeldin Abuelaishさんは、今トロント大学で教鞭を取っている。
2008年末から2009年初めにかけてのガザ紛争で彼は娘3人と姪を亡くした。イスラエルで医師として働いている間に、イスラエルからの爆撃でふるさとに残っていた娘達3人が殺された。その悲劇から、”I Shall Not Hate”と心を決め、その信条に沿って医師として、父親として、生きていく過程が綴られている。
Abuelaishさんが昨日、クラスでゲストスピーカーとして講義をしてくださった。教授がずっとクラスに招きたかった人で、やっとスケジュールが合い、実現したそう。話を聞く前に読んでおきたくて本を開いたけど、読むにつれて、あまりの悲惨さ、そして彼の強さ、悲劇からのあまりにもポジティブな行動に、現実感が無くなり、何か聖人についてのフィクションでも読んでいるんじゃないかという感覚になった。
実際に会ったAbuelaishさんは、思ったよりも小柄で、笑顔が優しく、声が大きい人。reconciliationとは、peaceとは、hatredとは、なんですか?とクラスに聞きながら、inclusiveなのに、とてもシャープなコメントを交えて講義が進んでいく。
娘達の悲惨な姿を見て、もうどうしようもない絶望と怒りがあった。だけど、生き残った一人、17才の娘に怒りに飲み込まれない強さを教えてもらったとAbuelaishさんは語った。彼女は爆撃の被害者で、片目と片腕を損傷した。目の前で自分の姉妹3人が死ぬのを見た。その数日前、母親も亡くした。病室で、彼女は「お父さん、紙と鉛筆を下さい。片手で書けるように練習するから」とすぐに言い、「お父さん、止まらないで、怒りに負けてはいけないよ。強くいましょう。」と声をかけたのだと言う。
そのとき、Abuelaishさんは「この自分の信頼する娘は、手本だ」と思い、そして亡くなった3人の娘達の父親として、何が出来るのかを考えてそれを行動に移す。医師としてイスラエル、パレスチナ分け隔てなくプラクティスを行うというのもそうだし、世界的に平和や理解についての教育を進めていくこともその一つ。現在、トロントで世界中の学者を募り、Hatredを医学的に分析する取り組みをしているのだそう。
彼の亡くなった娘達への責任として始められたプロジェクトがDaughters for Life Foundation。イスラエル、パレスチナ、エジプトなどの国の貧しい女性が教育を受けられるように奨学金やアワードを与える取り組み。「この世の中、なんでも可能だと私は思ってるが、娘達を蘇らせることだけはできない。だからこそ、彼女達をこの世界に生きつづけさせるよう、忘れないように、彼女達にしたかったこと、彼女達が望んだだろうことを私はすると決めた。世界中の女の子に教育の機会を、より良いチャンスを掴む機会をつくる手伝いをしたい。」
講義の途中、娘さんの話になると、抑えていたものがじわじわ溢れるように彼の目から涙が流れ、私はもう、なんだかやりきれなくなった。今でも考えると涙が出てくる。娘さんを亡くしてからまだ数年しか経っていないのに、その間にカナダに移住し、生き残った娘さんは今、大学で教育を受けている。
「私のような思いを誰にもして欲しくないが、人生、信じられないようなことが身に降りかかる。それは変えようの無い事実。それがInjusticeであったとき、怒らないといけない。その怒りを人間のつくったチャレンジに向かっていく力に変えないといけない。だけど、Hatredのスパイラルに入り、新たな悲しみを作り出すことはしてはいけない。そのとき、あなたはvictimから加害者のサイドに変わる。」
「いつでも私のオフィスに来なさい」と、涙を拭きながら急ぎ足で教室を出て行ったAbuelaishさん。教室はしんとして、皆、言葉が無かった。
"Don't be a victim more than once."
アンフェアなことで、犠牲者になっても、自分自身の犠牲者になるな。
とても重く、かなり考えさせられた一日になった。
2008年末から2009年初めにかけてのガザ紛争で彼は娘3人と姪を亡くした。イスラエルで医師として働いている間に、イスラエルからの爆撃でふるさとに残っていた娘達3人が殺された。その悲劇から、”I Shall Not Hate”と心を決め、その信条に沿って医師として、父親として、生きていく過程が綴られている。
Abuelaishさんが昨日、クラスでゲストスピーカーとして講義をしてくださった。教授がずっとクラスに招きたかった人で、やっとスケジュールが合い、実現したそう。話を聞く前に読んでおきたくて本を開いたけど、読むにつれて、あまりの悲惨さ、そして彼の強さ、悲劇からのあまりにもポジティブな行動に、現実感が無くなり、何か聖人についてのフィクションでも読んでいるんじゃないかという感覚になった。
実際に会ったAbuelaishさんは、思ったよりも小柄で、笑顔が優しく、声が大きい人。reconciliationとは、peaceとは、hatredとは、なんですか?とクラスに聞きながら、inclusiveなのに、とてもシャープなコメントを交えて講義が進んでいく。
娘達の悲惨な姿を見て、もうどうしようもない絶望と怒りがあった。だけど、生き残った一人、17才の娘に怒りに飲み込まれない強さを教えてもらったとAbuelaishさんは語った。彼女は爆撃の被害者で、片目と片腕を損傷した。目の前で自分の姉妹3人が死ぬのを見た。その数日前、母親も亡くした。病室で、彼女は「お父さん、紙と鉛筆を下さい。片手で書けるように練習するから」とすぐに言い、「お父さん、止まらないで、怒りに負けてはいけないよ。強くいましょう。」と声をかけたのだと言う。
そのとき、Abuelaishさんは「この自分の信頼する娘は、手本だ」と思い、そして亡くなった3人の娘達の父親として、何が出来るのかを考えてそれを行動に移す。医師としてイスラエル、パレスチナ分け隔てなくプラクティスを行うというのもそうだし、世界的に平和や理解についての教育を進めていくこともその一つ。現在、トロントで世界中の学者を募り、Hatredを医学的に分析する取り組みをしているのだそう。
彼の亡くなった娘達への責任として始められたプロジェクトがDaughters for Life Foundation。イスラエル、パレスチナ、エジプトなどの国の貧しい女性が教育を受けられるように奨学金やアワードを与える取り組み。「この世の中、なんでも可能だと私は思ってるが、娘達を蘇らせることだけはできない。だからこそ、彼女達をこの世界に生きつづけさせるよう、忘れないように、彼女達にしたかったこと、彼女達が望んだだろうことを私はすると決めた。世界中の女の子に教育の機会を、より良いチャンスを掴む機会をつくる手伝いをしたい。」
講義の途中、娘さんの話になると、抑えていたものがじわじわ溢れるように彼の目から涙が流れ、私はもう、なんだかやりきれなくなった。今でも考えると涙が出てくる。娘さんを亡くしてからまだ数年しか経っていないのに、その間にカナダに移住し、生き残った娘さんは今、大学で教育を受けている。
「私のような思いを誰にもして欲しくないが、人生、信じられないようなことが身に降りかかる。それは変えようの無い事実。それがInjusticeであったとき、怒らないといけない。その怒りを人間のつくったチャレンジに向かっていく力に変えないといけない。だけど、Hatredのスパイラルに入り、新たな悲しみを作り出すことはしてはいけない。そのとき、あなたはvictimから加害者のサイドに変わる。」
「いつでも私のオフィスに来なさい」と、涙を拭きながら急ぎ足で教室を出て行ったAbuelaishさん。教室はしんとして、皆、言葉が無かった。
"Don't be a victim more than once."
アンフェアなことで、犠牲者になっても、自分自身の犠牲者になるな。
とても重く、かなり考えさせられた一日になった。
前のブログ、消されてしまうんですかー?!
返信削除それはとても残念です・・・
きつねさん紹介のこの本、私も興味あるので読んでみたいと思います。
noanoaさん、
返信削除こんにちは!コメントをありがとうございます。そうなんです!ブログ消されちゃうらしいです。私「とことこ」の数年前にmy blimpっていう人生最初のブログもアルクで書いてて、それも消えちゃうのでかなり悲しいです。こちらにエクスポートしようとしたんですが、なんかファイルが違うらしくてできず。。ライブドアのほうにまるまるうつしちゃおうかなとか色々考え中です。決まったらまたご連絡しますね。いつも読んで頂いてありがとうございます!!
そして是非、アブライシュさんの本読んでみてください!私は何か「えーー、なんか、この人神様ー??」って本当にびっくりというか、尊敬を超えて崇拝?したくなりました。とっても素敵な方でした。
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