くもりぞらの赤毛のアンの島

プリンスエドワード島へはニューブルンズウィック州を通って、世界でも有数の長いコンフェデレーション橋を渡った。出発の日は生憎の曇り空で、強風。橋の上で車が風に煽られて、ちょっと怖かった。。あまりにも風が強い日は、橋は閉鎖されるそう。

プリンスエドワード島は、カナダで面積、人口とも一番小さい州。また、1864年にカナダの連邦結成について会議が行われたことでも有名な場所。だけど、多くの人にとって、プリンスエドワード島(以下PEIと書きます)といえば、「赤毛のアン」。


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私は大学のときに原書で読んで、そのときにとても感動して、アンが想像力、アンの言葉を借りるなら、"Scope for imagination"を掻き立てられた赤土の島を一度見てみたいと思っていた。(だけど、熱心なプリンスエドワード島を訪れるアンファンとは比べ物にならない軽いファンです。)


強風の中、橋を渡り終わり、どんよりとした曇り空に気持ちもどーんよりとして、窓を開けたら、

風強い!

寒い!

そして、くさい!!!

くさいーーーー!!!

すごい牛の匂い。そして観光案内のところに、牛の等身大レプリカ。

アンじゃ無いのか?PEI・・・?
目を凝らしてみると、アンのミュージカルの宣伝や、ブロンズ像もあったけど(ちょっとテンション上がる)、

とりあえず、牛くさい!

寒さと臭さとどんよりさで、もうかなりテンションが下がってたけど、一日しかない滞在。
楽しもう!ということで、目玉目的地、グリーンゲーブルのあるキャベンディッシュへ。

車窓から見える風景はノバスコシアとあまり変わらない穏やかな田舎風景。(プラス more 牛)

でも、PEIに来たなって感じたのは、海岸線と土の道の赤さ。赤い土の風景がじーんとしみ込んでくる。

到着し、Green Gables Heritage Placeへ。駐車場でトロントからのご家族と話が弾み、牛臭さも無くなり、少し上がったテンションで館内へ。


だけど、足を踏み入れた瞬間、つい発っしてしまった一言。

...シャ、シャビー。(shabby:みすぼらしい、粗末な)

なんか、シャビー。

優しいお姉さんの誘導で、グリーンゲイブルズの楽しみ方映画を見て、それから館外に広がるグリーンゲーブルを再現した村へ。寒かったからなのか、曇り空だったからなのか、あの、爽やかできらきらしたイメージとは程遠く、全くテンションが上がらない・・。きっとお腹がすいてるから、こんなに元気になれないんだと思い、売店へ。

・・・売店のサンドイッチがまずい(高いし)。Barnが休憩所になってるのだけど、そこにも等身大の牛が。
牛、、、牛、、、。


近所の牧場に普通にいるのに!!レプリカ必要なんですか!!!(ほんとに牛が多い)

売店にかけられているアンの麦藁帽子。(赤毛の三つ網みつき)

頑張って記念に被ろうと思ったけれど、やっぱりダメだった。そこまでテンションを上げる何かが、そこには無かった。

気を取り直して、アンのモデルになったおうちへ。


ほんとに曇り空でごめんなさい

かわいいおうち。中には当時を再現した家具が揃ってディスプレイしてある。(なんかアンティーク家具展示場みたい)

一通り見て、裏の森に進む。"lover's lane" 発見。
かわいらしい森に続く小径
恋人の小径の緑が美しく、吸い込まれていきそうだ」by モンゴメリ


森はとても綺麗で、物語の舞台を垣間見たような気がした。お化けの森。川のせせらぎ。小さな鳥の巣。

スケールの大きなカナダの自然の中にひっそりと作られた、小さな世界。
物語りの源泉がちらっと見えた気がしてうれしくなった。

ただ、少し残念だったことは全体的に工夫が感じられなかったこと。90年代から全く展示が変えられてないのかなと思わざるえなかったこと。それこそ、もっと"scope for imagination"が発動できるような自由な場所だったら良かったのになと感じた。物語りの引用ばかり展示するのではなく、森のベンチに本を置くとか、スケッチブックと色鉛筆を置くとか。

私にアン知識がもっとあったり、こういう古いカナダの牧場風景が私にとって真新しいものであったり、天気が良かったりしたらもっと良い印象が持てたのかもしれないけど、少し残念な気持ちでグリーンゲイブルズをあとにした。(地元の人も改善が必要だと言っていた)本当はモンゴメリのおうちにも行く予定だったけど、あまりの寒さに一度、宿に向かうことに。

☆また絶対この島を訪れたいと思わせてくれたPEIの大きな赤い海の話と、宿のことはまた明日書きたいな。

最後に私の大好きなアンの一節を紹介。


“Isn't it splendid to think of all the things there are to find out about? It just makes me feel glad to be alive--it's such an interesting world. It wouldn't be half so interesting if we know all about everything, would it? There'd be no scope for imagination then, would there? 
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コメント

  1. きつねさん ご無沙汰してます☆
    PEI訪問記、楽しく拝読させていただきました。
    牛、牛、牛!!そんなに牛が多くてくさい(笑)とは、全く知らなかったです(笑)
    お天気がいまいちだったのは残念ですね。どこの観光地でも、イメージ写真って最高の天気と季節のときに撮影されてるので、私たちはそのイメージを絶対かのように思ってしまいますものね。

    私は、アンになった気持ちでPEIを訪れたいなーって思ってます。(いい年してメルヘンチックでお恥ずかしいですが)
    赤い道や海岸、森、アンはどんな気持ちで歩いたり想像したりしてたのかな、って。それこそ、「想像の余地」がたくさんあって、今考えてるだけでテンションあがってきました(笑)

    日本で雑誌等で取り上げられるアン特集は、お料理とか手芸とかにからめたものがけっこうありますが、実際のところアンの頭の中はその種のことよりも学問や文学で満たされていて、アン自身の”世界”は、きつねさんに共通するところがあると思います。
    パッチワークとかティータイムとかの類は、むしろダイアナの”世界”。

    次回は天気に恵まれたときに行けるといいですね!




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  2. noanoaさん、
    こんにちは!コメントをありがとうございます。
    はいー、牛は私も予想外でした。私が行った日がたまたま臭かったのか、なんなのか不明ですが、めっちゃ臭かったです。そしてお天気もブルーでした。。

    noanoaさんの夢のPEIの日には、すごい天気が良くなることを願っています!!"scope of imagination"って、「想像の余地」って訳されてるんですね。訳しにくい言葉だなーってすごい思ってたんですけど、「想像の余地」って、本当になんか、アン語ですね!!私はもうちょっと、scopeはマイクロスコープみたいな、「見るもの=瞳」見たいな感じで捉えてました。うーん、おもしろい。今度、是非日本語版を読んでみます。

    noanoaさんのPEIレポート、楽しみにしていますね。それを読んでからグリーンゲイブルズは再挑戦したいです。文句なしでナショナルパークは良かったです。あの赤い大地は、本当にnoanoaさんの涙腺をゆるますんだろうなーとか勝手に想像しています。笑

    行かれるときはぜひ教えてくださいね!

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